2012年4月22日日曜日

■【社説】借金漬けの50代以上が新たな不安定勢力に


借金漬けの50代以上が新たな不安定勢力に
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/21/2012042100404.html
2012/04/21 10:52 社説・朝鮮日報

 韓国で、一般家庭向け融資全体のうち50歳以上の年代が抱える負債の割合が、2003年には33.2%だったのが、11年には46.6%にまで高まったことが分かった。韓国銀行が発表したこの数値は、退職して所得が減少した世代の借金が、それだけ急速に増加している現実を反映するものだ。

 最初に思い当たる理由は、不動産価格が一気に上昇した2005-07年、50代以上の年代の多くが自宅を大きくするため住宅担保融資を利用した点だ。当時、首都圏で6億ウォン(現在のレートで約4300万円、以下同じ)以上の住宅を担保に融資を受けた人の中で、50歳以上は全体の半分以上に当たる54%を占めていた。その後08年のリーマン・ショックの影響で住宅価格が下がり損失が発生したが、それ以前に受けた融資の利子は当然支払わねばならない上、元本の返済も重くのしかかっているからだ。

 働き盛りの年齢で職場を去った50代の多くが自営業に参入し、起業資金準備のために借金をしたことも、負債が増えた要因の一つだ。全自営業者のうち50代以上が占める割合も、2008年の47%から11年には54%にまで高まった。しかし、大半の日人が比較的たやすく開業できる飲食業界に参入したものの、準備不足もあってわずか数年で破綻し、巨額の借金を抱えるケースが多い。

 50代以上は若い世代とは異なり、将来的に所得が増える機会が少ないため、一度破産すると再起は難しい。そのため借金への不安が一層大きくなる。このままでは50代以上の世代が、若年失業者の中心となっている20-30代に匹敵する、いわば韓国社会の新たな不安・不満階層になってしまうだろう。

 日本でも1990年代にバブルが崩壊し、生活が苦しくなった高齢者が老後の生活資金を準備するため不動産を売却し、その結果、不動産価格がさらに落ち込んで、日本経済は長期不況の泥沼にはまった。韓国での高齢者の借金問題も、このような日本と同じ過程をたどる可能性が高い。

 今後は社会のセーフティーネットを強化し、老後の心配をやわらげ、退職した世代に再就職の機会を与える根本的な対策の取りまとめが必要だ。福祉時代の新たな課題は、高齢者のための雇用創出と、若者向け雇用対策のバランスをいかに確保するかにかかっている。



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