2012年5月18日金曜日

■宮城の観光客「不安」18% 東北など10県でアンケート


宮城の観光客「不安」18% 東北など10県でアンケート
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/05/20120518t71013.htm
2012年05月18日金曜日

 東日本大震災や福島第1原発事故による観光への影響を調べるため、観光庁が東北や北関東10県を旅行した観光客を対象に行ったアンケートで、宮城の観光客の約18%が放射性物質への不安を感じていたことが分かった。10県の中で最も割合が高かった。宮城は原発事故による観光業の風評被害が一切認められておらず、今回の結果は今後の東京電力との賠償交渉で新たな判断材料になる可能性がある。

 アンケートは観光庁が民間シンクタンクに委託し、昨年6月~ことし1月に実施。東北6県と茨城、栃木、群馬、千葉の計10県で観光客に調査票を配り、9975通の回答を得た。

 観光客のうち、「放射性物質の飛散」に不安を感じていたと答えた人を、旅行先別に集計した割合はグラフの通り。

 政府が昨年8月の中間指針で、原発事故による観光業への風評被害を全域で認めたのは福島、茨城、栃木、群馬の4県だったが、宮城を訪れた観光客は、4県の観光客以上に放射性物質への不安を感じていたことがうかがえる。

 5番目の千葉は、太平洋沿岸16市町村で賠償が認められている。6番目の山形は賠償地域が米沢市に限定された上、昨年5月までの賠償しか認められていないが、放射性物質を不安と感じる観光客の割合は、全域が賠償対象の群馬より高かった。全域が賠償の対象外の青森、岩手もわずかに群馬を上回った。

 東北各県は昨年度、軒並み観光客が減少したが、政府は「地震や津波による被害や自粛ムードも影響している」として、福島以外は風評被害の賠償対象に入れなかった。

 今回の結果から、宮城をはじめ東北を訪れた観光客も原発事故への不安を感じていたことが明確になったといえ、政府や東電への反論材料になる可能性が大きい。

 アンケートによると、旅行前に震災や原発事故の影響を不安に感じていた人はおよそ3人に1人だったが、旅行後に影響を実感した人は5人に1人まで減少。一定数の観光客が不安を感じて旅行に臨みながら、現地で影響の少なさを実感していることも分かった。



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