2012年1月7日土曜日

■【コラム】「100歳の現役」が活躍する日本


【コラム】「100歳の現役」が活躍する日本
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/06/2012010601617.html
2012/01/06 14:07 朝鮮日報

 徳島県の山奥にある上勝町は、住民のうち65歳以上の占める割合が50%を超える「超高齢村」だ。最近はこの村で80代の高齢者がスマートフォンを使いこなす様子がテレビに放映され「IT(情報技術)高齢者村」としても有名になっている。この村では十数年前から高齢者でも気軽にできる仕事を模索し、和食の装飾用に使われる木の葉を集める事業を開始した。注文は住民たちがパソコンやファクスで受け付けていたが、最近はどこにいても注文を確認できるように、スマートフォンを使うようになったという。

 東京の人材派遣会社「高齢社」は、社員の平均年齢が67.5歳だ。若者に比べると賃金は相対的に低いが、豊富な経験を持つ真面目な高齢者が質の良いサービスを提供し、急成長している。

 最近『ルート99』という演劇で話題を集めている「さいたまゴールドシアター」の団員42人の平均年齢は72歳で、最年長は86歳だ。この公演は単なる趣味ではない。米軍基地の移転問題を取り巻く島の住民間の葛藤を描いた非常に社会性のある演劇で、日本を代表する映画監督の一人である蜷川幸雄氏(76)が演出を担当している。蜷川氏は「『ロミオとジュリエット』などの配役も、高齢者がやれば、人生の喜怒哀楽をうまく表現できる」と主張している。

 日本のロック界の伝説といわれる内田裕也氏(72)は、今も情熱的に公演活動を続けており、テレビにも意欲的に出演している。内田氏は、交際していた50代の女性が自分を避けているとして、女性の家のドアを破壊して無断で侵入し、住居侵入罪で逮捕されるなど、若者に劣らず話題を集めている。また、韓国のタレント、ユ・ジェソク氏やイ・スグン氏以上によくテレビに登場するみのもんた氏(67)やビートたけし氏(64)は、年を重ねるにつれ人気がさらに上昇している。

 「100歳の現役」が登場し始めた日本では、60代や70代は若い方だ。昨年10月4日に100歳となった医師の日野原重明氏は、今も1年のほぼ半分を全国での講演活動に充てるなど非常に情熱的だ。しかも日野原氏は病院で定期的に診察も行っており、認知症の妻の世話をしながら時間があれば執筆活動にも力を入れている。90歳の時に出版した『生き方上手』は120万部以上を売り上げるベストセラーとなった。日野原氏は高齢化の時代に合わせ「高齢者の基準を65歳から75歳に変更すべき」と主張している。そのため日野原氏が代表を務める「新老人の会」という団体では、74歳以下はジュニア会員だ。92歳から詩を書き始めた100歳の柴田トヨさんは、一昨年3月に生涯初の詩集である『くじけないで』を出版し、昨年は2冊目となる『百歳』を出版した。93歳の漫画家である竹浪正造氏は昨年、初めての漫画絵日記『はげまして、はげまされて』を出版した。

 高齢化大国の日本では、社会保障費の増加による財政危機、内需の縮小、少子高齢化などさまざまな課題を抱えているが、世界に先駆けてこれらの問題に取り組むことで、新たな社会モデルも提示しようとしている。それは「年齢は数にすぎない」として何歳になってもチャレンジ精神を忘れない健康な高齢者と、彼らを支える社会システムだ。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版



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