2012年1月25日水曜日

■年収60万円でも高級化粧品を買う深層心理 中国中間層A子さんの場合


年収60万円でも高級化粧品を買う深層心理 中国中間層A子さんの場合
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0120&f=column_0120_012.shtml
【コラム】 2012/01/20(金) 10:04
  
 中国の民間企業に勤めるA子さん。39歳未婚、母親と二人で四川省成都に暮らしています。二人が暮らす住居は、母親が定年まで務めた学校が提供してくれた“単位房子”、住居費はかかりません。そのため世帯年収は約7万元(1元12円で換算すると84万円)にも関わらず、年に数回旅行に行くなど余裕のある暮らしをしています。


 ★住居費が生活に与える影響

 社会主義国である中国においては、住宅制度も計画経済に含まれますが、この住宅制度はこの10年の間に劇的に変化しました。はじめ住宅は、国か企業が建設し、無償か無償に近いほど安い賃貸料で割り当てる“単位房子”方式でした。

 しかし、これは国か企業の資金で住宅の建設が行われただけでなく、一度提供した住宅は従業員が退職した後も回収せず、新規に採用した従業員には別の住宅を建設し、割り当てるというのが一般的だった為、次第に国有企業が抱える住宅関連の負担は福利厚生の域を越え、経営を圧迫する要因となってしまいました。

 そしてついにこの制度は2000年までに全廃、大半の単位房子は住人に数十万元ほどの大変安い値段で払い下げら、そしてこれ以降、個人は自分で住宅を購入しなければならなくなったのです。そのため、この住宅制度改革で住宅を得た人と得なかった人、またさらには不動産が高騰する前に購入した人と高騰後に購入した人では、住居費に雲泥の差が生じてしまいます。

 中国では年収だけではなく、住宅事情いかんで生活の豊かさやゆとりが大きく変わってくるのです。


 ★「有名ブランドの化粧品を買ってしまう」その深層心理

 A子さんの年収は5万元(1元12円で換算すると60万円)。それでも一年間に化粧品につかう金額は何と7,000元以上。使っている基礎化粧品を見せてもらうと、ランコム・DHCなど外国製化粧品も所有。関税の高い中国では、外国化粧品は本国と同じかあるいはより高い値段で売れており、例えばA子さん愛用のDHCの日焼け止めは、日本で買うと税込1,890円ですが、中国で買っても150元(1元12円で換算すると1,800円)とほぼ日本と同じ価格、A子さんにとっては決して安い商品ではありません。

 もっと安い中国メーカーの商品もたくさん売られているにも関わらず、それでもDHCを買う理由をたずねると、「日本の有名ブランドだったら安心だから。」とのこと。「肌に品質の悪い物は使いたくない、けれどもどれが良い化粧品かよく分からない、知っているブランドであればとりあえず間違いはないだろう。」そう考えるのだそうです。

 いまや日本と同じように世界中の化粧品があふれる中国、けれどもこういう状況になったのは、ほんのここ数年の話に過ぎません。つい10年程前まで何も飾らない素顔の女性が一番美しいという「自然美」が良しとされていました。そのため今の40代、30代の人は、若い時にスキンケアやメイクをほとんどしたことがなく、化粧デビュー年齢が非常に遅く、スキンケア歴も浅いのです。

 A子さんも、今でこそ化粧水、乳液、美容液、クリーム、シートマスクと一通りのアイテムを使ってスキンケアをしていますが、2、3年前までは顔を洗って化粧水をつけるくらいだったそうです。化粧品がたくさん市場に出回り、広告を方々で見かけるようになるうちに徐々に興味を持ち始め、雑誌やインターネットを通じて美容情報を入手しながらスキンケアの仕方を覚えていったそうです。けれども彼女はこんな不安を漏らしていました。「これで本当に正しいのか、何となく自信がない。」と。

 それゆえ安心感を求めてよく知られたブランドの商品に手を伸ばす、これが有名ブランドの化粧品を買ってしまう深層心理のようです。



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