2012年1月21日土曜日

■人形浄瑠璃の魅力発信 淡路や徳島など観光ルート化



人形浄瑠璃の魅力発信 淡路や徳島など観光ルート化 
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004757831.shtml
(2012/01/21 08:02)

 兵庫など7府県でつくる関西広域連合は2012年度、淡路島や徳島など構成府県に伝わる伝統芸能「人形浄瑠璃」を観光ルート化する事業に乗り出す。それぞれの特徴と魅力をまとめた冊子やウェブサイトの作成、シンポジウムの開催などを検討。日本を代表する関西ブランドの文化芸術として国内外に売り出す。

 関西では、国立文楽劇場(大阪市)を構え、世界無形文化遺産に指定された文楽をはじめ、各地で人形浄瑠璃が伝統芸能として伝わる。広域連合が調べたところ、えびすかき(西宮市)や淡路人形浄瑠璃(南あわじ市)、阿波人形浄瑠璃(徳島市)、さらに京都や鳥取、滋賀など計6府県に10以上が残っている。和歌山では途絶えたが、同県を舞台にした演目「日高川入相花王」がある。

 このうち兵庫、京都、徳島の保存団体や自治体が昨年10月、交流組織「人形浄瑠璃街道連絡協議会」を設立したばかり。広域連合で取り組みを拡大することにした。

 具体的には、徳島市で今年10月に催される「全国人形芝居フェスティバル」と連携。シンポジウムなどを通じ、これまでなじみが薄かった市民や外国人観光客にも、人情味あふれる舞台の魅力を伝えていくという。

 伝統文化を活用した観光や文芸振興を支援する国の補助金に申請を予定。自主財源と合わせ12年度は1千万円程度の事業費を見込む。

 担当する京都府文化芸術室は「各地共通の課題である後継者の育成にも弾みをつけたい」と期待を込める。兵庫県芸術文化課は「淡路島はプロの一座が活動し、高校などの部活動も盛ん。文楽鑑賞に大阪を訪れた観光客に足を伸ばしてもらえるように取り組みたい」と話している。(内田尚典)


【上方文化評論家の福井栄一氏の話】

 当事者だけでは技能継承で手一杯の地域もあり、府県が手を結んで外向けに発信することは評価できる。外から人を呼び込むには、親子で楽しめる演目の強化や、外国語のパンフレット作りなどが課題になるだろう。芝居をメーンにしつつ、各地の郷土人形も加えて売り出したら面白いのでは。




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