2012年1月6日金曜日

■中国で外国人留学生激増、その一方で日本人留学生は減少


中国で外国人留学生激増、その一方で日本人留学生は減少
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0105&f=column_0105_015.shtml
2012/01/05(木) 19:04
  
 2011年12月の中国出張で、私は南京を訪問しました。南京に到着して、まず私は一人で南京大学構内を散歩しました。南京大学は来年百十周年を迎える伝統ある大学で、民国時代は、首都が南京であったことから、もともとは中国の“中央”大学(現在の北京大学、清華大学のような位置付け)でした。歴史ある校舎や大木が多い、古都に相応しい美しい大学を目指してくる外国人留学生も当然少なくありません。

 新留学生楼は大変立派な高層ビルです。大きな大きな外国人専用の図書館やお洒落なカフェもあります。南京大学は間違いなく発展しました。そして、その発展を支えたのは留学生受け入れによる収入の貢献も大きいに違いありません。校内のどこにでも金髪や白人、黒人の留学生が目立ちました。そして、ふと気が付いたのです。


  「日本人がいない!」と・・・。

 「このところ欧米人を中心に留学生が増えたわ」と南京大学海外教育学院の陳先生は教えてくれました。彼等が大勢で来てくれるお蔭で全く営業する必要がないのだそうです。そして、総数は何と3000名以上。95年当時は、中国から遠い欧米の地からは殆ど留学生がありませんでした。特に欧州については奨学金をもらって来るとか「選ばれた」数少ない留学生しかいませんでした。それが、今ではイタリア人が食堂で群れを成しているのです。そして……「日本人は殆どいないのよね」この言葉をついに陳先生の口から聞くことになりました。

 南京大学には「中美中心」という施設があります。中国ではアメリカのことを「米」ではなく「美」と表します。つまり南京の優秀な学生がアメリカへの留学を準備したりする施設なのです。陳先生の娘も米国スタンフォード大を卒業しました。南京大学は欧米の学生受け入れが多いだけでなく、多くの中国人学生が欧米を目指しているのです。

 上海で中国の優秀な学生と共同開発を進め続けている日本企業オムロンの夏目総経理(欧姆龍伝感控制研究開発(上海)有限公司)から、こんな話を聞けました。「中国で開発をしていてメリットと感じたことが二つある」と。まず一つ目は「中国の学生は作業能力において平均値が高い」こと。そして、もう一つ目は「中国の優秀な教授はほとんど米国留学を経験しており、彼等を通じて、米国の有名人と繋がることが可能になる」ことでした。何と日本は対アメリカ人材交流の面でも中国に遅れをとっていたのです。

 人材交流を通じて、中国とアメリカの関係は今後更に色んな意味で深まっていくことでしょう。一方、日本は「海外に行きたい若者が減っている」と聞きます。夏目総経理は「上海に住む日本人は、5万人以上と増え続けているのに、留学生は減っている」と言います。上海交通大学ですらキャンパス内外で日本人を殆ど見かけることがなくなり日本料理店より韓国料理店の方が多いのだそうです。

 キャンパスが移転して広くなったこともあるかもしれません。老齢化の人口構成からくる結果なのかもしれません。でも、だからこそ、積極的に日本人の留学を推し進めるべきではないでしょうか。日本はいつまでも“ガラパゴス”のままでいいのでしょうか。

 日本が今後、国際的影響力を保ち続ける為にも、グローバル人材の交流を進めることが不可欠です。私達は“日中交流”を促進させるための研究を続けてまいります。



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