2012年1月23日月曜日

■韓流の街、東京・新大久保ブーム困惑 脱税など不正/観光客マナー悪化


韓流の街、東京・新大久保ブーム困惑 脱税など不正/観光客マナー悪化
http://news.infoseek.co.jp/article/sankein_snk20120123061
産経新聞(2012年1月23日08時00分)

 KARA、少女時代など「K-POP」人気に端を発した第2次韓流ブーム。コリアンタウンとして知られる東京・新大久保は昨年以降、韓国の芸能人関連グッズ店などが乱立し、空前の盛り上がりを見せる。活況を背景に、脱税などの不法行為や観光客のマナーの悪さも顕在化し始めた。恩恵にあずかるはずの地元関係者の心情は複雑だ。


 ◆歩道通行3万人

 「お気に入りの子には、ドキドキして話しかけることさえできないの」

 平日午後4時。神奈川県大和市の主婦(43)は、韓国の男性アイドルが公演を行うJR新大久保駅近くのカフェを出ると、うっとりとした表情を浮かべた。電車を乗り継ぎ週3回、新大久保を訪れる。

 カフェの入場料は公演付きで2千円ぐらい。公演後は有料写真撮影会で20歳前後のアイドルと会話を楽しみ、韓流ショップで買い物をして帰るのが日課だ。

 月5万円の出費を夫にとがめられても、「男の子は優しいし街の雰囲気は海外に来たよう。非日常の世界がある」と新大久保通いをやめられない。

 韓国人気は芸能分野だけではない。若い男性店員の呼び込みが多く「イケメン通り」と呼ばれる路地は、約300メートルに60以上の飲食店などが並ぶ。ほとんどがこの1年間に出店した。

 中小企業大学校(東京)の調査によると、新大久保駅からイケメン通りに続く幅約2・5メートルの歩道の通行者数は、休日の日中5時間で3万人超。「観光客が歩道を、地元の人間と韓国人が車道を歩く」のが常態化しているという。

 先月には地域最大級の韓国ビル3棟が完成した。地元不動産業者は「ここ1~2年で地価は2倍以上になり、空きがない状況」と話す。年末年始にJR新大久保駅を利用した乗客は対前年比で20%も伸びている。


 ◆販売許可なし?

 活気づく街の陰には負の部分も浮かぶ。

 東京国税局は、新大久保で韓流ショップを運営する「ワールド・アップル商事」と同社社長(45)が売り上げの一部を申告せず約4千万円を脱税したとして、東京地検に法人税法違反罪で告発した。経営する店舗の一つでは簡素なシールを貼り付けただけのDVD数枚を1セットにして、テレビドラマ全編を2千~3千円で販売。男性店員は「商品はすべて公式ライセンスを取得している」と話すが、「KBS(韓国放送公社)ジャパン」(東京)によると「新大久保の韓国グッズ店で販売許可を得ている店は一店もない」という。

 一方、堺市から来店したという女性会社員(24)は、定価の半額で購入した写真集を手に「販売ルートは関係ない」と意に介さない様子だ。

 深夜を迎えると、飲食店付近の歩道にはゴミ袋30~40袋がうずたかく積まれることも。新大久保商店街振興組合の理事の一人は「韓国系の大部分の店舗は組合に加盟しない。ゴミ収集など街の問題について話し合うのが難しい」と嘆く。


 ◆地元住民が苦情

 地元住民からは日本人観光客に対する苦情も絶えない。大正6年から95年続く文房具店の女性店主(68)は「大騒ぎにはこれ以上耐えられない」と来月、閉店することを決めた。

 昼間には母親グループが託児所のように店内に子供を置き、買い物に出かける。深夜でも、酒に酔い韓国人男性に抱えられた日本女性が騒ぐ。観光地化に伴い地域住民は新大久保を離れ、売り上げも半減した。「ブームが過ぎれば、くしの歯が欠けるようにさびれるでしょ。もう普通の街に戻ることはない」(女性店主)。店舗を引き継ぐのは韓国グッズ店だという。

 同組合の内藤雅也副理事長は「お客さんが新大久保に来てくれることはありがたい。韓流を地域活性化にうまく活用できるよう問題を解決していきたい」と話している。


【用語解説】韓流ブーム
 ペ・ヨンジュンさん主演のテレビドラマ「冬のソナタ」をきっかけに、平成15年ごろから国内で広がった韓国大衆文化の流行全般を指す。先に人気が高まった台湾で「韓流熱風」と名付けられたのが語源。22年ごろから「K-POP」と呼ばれる音楽を中心に人気が再燃し、第2次韓流ブームと位置づけられている。


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