2012年1月13日金曜日

■惑う台湾:12年総統選 あす投票 中国人観光客、高い関心 自由な政権選択魅力


惑う台湾:12年総統選 あす投票 中国人観光客、高い関心 自由な政権選択魅力
http://mainichi.jp/select/world/news/20120113ddm007030133000c.html
毎日新聞 2012年1月13日 東京朝刊

 ◇野党・蔡氏支持も

 【台北】激戦が続く台湾総統選(14日投開票)は、台湾を訪れる中国人観光客の間でも関心が高まっている。対中融和路線をとる与党・国民党候補の馬英九総統(61)に好感を抱く人が多いものの、「新政権に委ねるべきだ」と対抗馬の野党・民進党の蔡英文主席(55)を暗に「支持」する人も少なくない。中国共産党の一党支配が続く中国だが、有権者の意思が反映される選挙での反応は多様であることを印象づける。

 長年国民党を率いた蒋介石総統を記念する台北市内の中正紀念堂。観光バスがひっきりなしに停車し、中国人観光客を降ろしていく。蒋介石は共産党との内戦に敗れ、1949年に台湾に逃れた。「内戦を戦った国民党の印象は悪かったが、台湾に来ると街もきちんと整備されていて印象は変わった。中台関係に貢献しているし、馬氏に当選してほしい」と四川省出身の女子大学生(24)が語った。

 馬政権が続投となれば、経済的な結びつきが強まる中台関係は安定路線が続く。河南省出身で夫が台湾人という38歳の女性は「夫の会社は広東省にあり、中台関係が悪化すれば商売に影響する。民進党の陳水扁前政権の時には汚職問題が出たので良いイメージがない」と、やはり馬氏の当選に期待を寄せた。

 ただ、政権選択の余地がない中国人には、同じ中華圏で民主主義制度がある台湾は魅力的に映るようだ。

 香港紙「太陽報」によると、中国当局は台湾を訪れる中国人観光客への「悪影響」を恐れ、団体観光客の訪台申請の許可を減らしているという。北京から来た男性(55)は「(対中融和路線の)馬氏はひ弱な印象を与えている。政権交代で中国大陸に民主主義の手本を見せてほしい」と話し、蔡氏を推した。

 中国との関係改善を進めた馬政権は08年夏に中国人の団体観光を解禁し、昨年は11月末時点で約160万人と過去最高に達した。



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