2012年1月6日金曜日

■中国と北朝鮮の国境線から 地元運転手が案内する秘密の場所


中国と北朝鮮の国境線から 地元運転手が案内する秘密の場所
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0105&f=column_0105_014.shtml
2012/01/05(木) 18:56

(5) 吉林省琿春・防川

1.運転手の秘密の場所

 それは中国、北朝鮮、ロシア三カ国の境界線に位置する街で、晴れた日には、展望台から彼方に日本海が見える琿春・防川に向かう道すがらのことでした。

 運転手は国境線の田園風景の中、農家のある方向に運転していきました。右の彼方、北朝鮮の土地には、何やら大きな銅像のある建物が見えていました。そこはどう見ても、私道のような道なき道で、生活をする人以外には通らないような場所でした。車は止まりました。目の前には小さな小川。三段跳びでも軽くすれば、向こう岸に渡れる距離。水深も10センチメートルあるか否か。すぐ目の前にある北朝鮮では、牛が草を食べていました。

運転手:「そこが北朝鮮だよ」

私:「えっ?!歩いて渡れるではないか」

運転手:「北京の旅行会社も知らない地元民だけの場所だよ」
向こう側には、どこにも人は見られませんでした。でも目の前には牛が。

私:「この牛はどこの牛?」

運転手:「北朝鮮のではないかな」
そうは言ってもこの牛は丸々と肥えていました。中国側を振り返ると、仲間らしき牛たち。のっそのっそと散歩を兼ねて草を食み、水を飲みながら、向こう岸に渡った中国の牛であることは明白でした。

私:「北朝鮮の人は現れないの?この牛の飼い主も、牛がいなくなると困るでしょ?」

運転手:「あまり見かけないね。でも農家の人は近くにいるだろうけど」
あまり見かけない理由は、いかだに乗ったときと同様でした。


2.国境線とスローガン

 さらにそこから車で少し進むと崩れ落ちた橋がありました。聞くと、下の川は冬になると凍りつき、北朝鮮との間は地続きになる、とのことでした。私がこの場所に行ったのは、2010年7月1日。その1年ちょっと前には、この下の川を渡ったアメリカ人ジャーナリスト2名が北朝鮮に拘束された現場、とのことでした。

 運転手とともに橋の端まで行くと、途中で赤い線が引かれており、その先からは完全に崩れ落ちていました。運転手に赤い線の意味を確認すると、果たして中国と北朝鮮との国境線とのことでした。北朝鮮側に国境線を少し超えた地点で崩れ落ちていたため、中国側からは、厳密には国境線を1メートルほど越えることができるのでした。北朝鮮側には、北朝鮮の国境警備隊が24時間体制で詰めている、という掘っ立て小屋がありました。そこから後ろの中国側を振り向くと、横断幕。横断幕には中国語で、「北朝鮮人を馬鹿にしてはいけない!」というスローガンが書かれていました。中国の繁栄と北朝鮮の困窮を象徴するように感じました。


3.国境線を~右に北朝鮮、左にロシア~

 車は東に向かいました。川の向こう側、向かって右は北朝鮮、道路の左側すぐにあるフェンスの向こうからはロシアというまさしく国境線を走る道でした。

 途中あった連合国世界公園碑の前で降りた私は、鉄柵の向こう側にあるロシアの草木を掴み取りました。

 その後、防川の展望台に到着しました。ここはまさしく中国、北朝鮮およびロシアの3カ国の国境線が交わる地点にある展望台です。ここからは天気の良い日には日本海が展望できるようでしたが、このときには雲がかかっており、日本海を確認することはできませんでした。展望台に日本海という説明がある文字盤が、ハングルで落書きされていたことが印象的でした。



0 件のコメント:

コメントを投稿