2012年2月9日木曜日

■昨年度の「観光赤字」、過去最大の72億$[観光]


昨年度の「観光赤字」、過去最大の72億$[観光]
http://news.nna.jp/free/news/20120209aud005A.html
2012年2月9日(木曜日)オーストラリア 

 豪州の観光事業における2010/11年度の国際収支が、過去最大となる72億豪ドル(約5,973億円)の赤字だったことが分かった。豪ドル高を背景に安価なアジア旅行を選ぶ豪州人が増えたことに加え、世界経済の先行きが不透明なことから、旅行を控える人が増えたため。8日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。

 豪政府統計局(ABS)によると、昨年に海外旅行に出かけた豪州人は780万人に上ったものの、豪州を訪れた外国人旅行者は590万にとどまり、前年から1万人減少した。

 豪州の観光事業は01/02年に36億豪ドルの黒字を記録していたが、格安航空会社のヴァージン・オーストラリアやジェットスターがアジア向けの格安航空券を販売し始めたことから、04/05年に赤字に転落。この後、赤字額は増え続けており、09/10年には51億5,000万豪ドル、10/11年度は72億豪ドルに達している。11/12年は86億豪ドルの赤字が見込まれている。

 豪政府観光局(ツーリズム・オーストラリア)のマクイーボイ代表によれば、国内での旅行者の支出総額は約940億豪ドルに上り、このうち約62%が豪州人による支出、残り38%が外国人観光客によるものという。しかし同代表は、アジア人旅行者が増えていることや、欧米諸国からの旅行者数が回復することで、向こう10年間にこの比率が50%ずつに変化していくと予測した。

 ただし、観光交通フォーラム(TTF)のリー代表は、豪州人観光客の流出に懸念を示している。同代表は、昨年に過去最高となる140万人の豪州人がタイとインドネシアを訪問したことに触れ、「国内のビーチや離島のリゾート地を訪れる人が減っている。当面は豪ドル高が続くとみられるほか、東南アジアでのリゾート開発が進むと予想されるため、国内の旅行業界の先行きは不透明なまま」と述べた。TTFは政府に対し、マーケティングや観光インフラの改善に資金を提供するとともに、観光施設への投資を呼び掛けるよう求めている。


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