2012年2月2日木曜日

■ソウル市も打つ手がないホームレス対策


ソウル市も打つ手がないホームレス対策
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/02/01/2012020101060.html
2012/02/01 10:31

 ソウル駅前派出所付近の地下道に設置されたホームレス向け緊急シェルター(ホームレスの避難所)。ホームレスたちは毛布や寝袋に身を包み、見回りの担当者が通り過ぎる横で眠りに就こうとしている。中には1人で広いスペースを確保する人、場所取りに負けて冷たい床にマットレスを敷いて寝る人もいる。1月30日夜撮影。/パク・サンギ記者

 「われわれはここを“捕虜収容所”と呼んでいる。力のあるヤツが無条件で支配しているからだ」
 先月30日午後7時30分、ホームレスの取材のため、ソウル駅派出所付近の地下道に設置されたシェルター(ホームレスの避難所)を訪れた。入り口近くに立っていたホームレスのSさん(58)は、周りの目を気にしながら上記のように語った。Sさんはこの日、同じホームレスのAさん(56)に酒や菓子などの手土産を持参し、この施設に入ることができた。

 Aさんはソウル駅で10年以上にわたりホームレス生活を続けており、ホームレスの間では「アニキ」と呼ばれている。Sさんは「Aのような力のあるヤツに焼酎を持って行ったり、夜は使いっ走りをするなどして機嫌を取らなければならない」「ここで寝られるのは、(暴力などで)血を見ることを何とも思わないヤツや、(力のある人間に)カネや酒を貢いだ人間ばかりだ」と語る。この日も、ここを初めて訪れたあるホームレスが休もうとしたところ、数人から立ち入りを妨害され暴行を受けた末に、外に追い出された。

 ソウル市は昨年12月15日にこのシェルターを設置する際「ソウル駅から近いため、ホームレスを保護するには都合がよい。彼らがホームレス生活を抜け出し自立するに当たり、力になるものと期待する」とコメントした。しかしホームレスたちはここを訪れても、実際はまともに横になることができない状況にあるようだ。

 シェルターの広さはおよそ250平方メートルで、床暖房施設が設置された部屋が二つある。定員は80人ほどだが、毎日200人近くいホームレスたちが寒さをしのぐためやって来る。ここではホームレスたちに軍隊用の毛布が貸し出される。シェルターは午前8時と午後6時の2回の清掃時間(1時間から1時間半)以外、終日開放されている。

 このシェルターの存在が口づてに広まると、富川など京畿道からもホームレスが集まるようになり、場所取りが難しい状況にある。Aさんのようなリーダー的な人物を中心にグループができ、手土産を持参した新入りに場所を提供するが、グループに入れなかった人は寝る場所がない。



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