2012年2月9日木曜日

■ジェットスター売却も?雇用規制でCEO警告[運輸]


ジェットスター売却も?雇用規制でCEO警告
http://news.nna.jp/free/news/20120208aud004A.html
オーストラリア  2012年2月8日(水曜日)

航空大手カンタス航空に適用されている「カンタス・セール法(Qantas Sale Act)」の見直しが6日、キャンベラで始まった。焦点となったのは、海外乗務員の雇用に関する部分で、同社のアラン・ジョイス最高経営責任者(CEO)は、雇用制限が厳しくなれば、傘下の格安航空会社ジェットスターを売却し、法の規制外とさせて存続させる可能性もあると警告している。

今回の同法見直しに至った背景には、カンタスが先にアジア地域に、フルサービスの航空会社を設立する計画など海外事業を積極化させていることなどがあり、昨年9月に無所属のゼノフォン上院議員が見直しを提案し、環境政党グリーンズ(緑の党)が支持していた。

キャンベラで行われた見直しに向けた会議では、豪州人スタッフの雇用が主なテーマとなり、労働党下院議員などから、カンタスに対して、低利益となっても国内の雇用を保護するよう求める声が上がった。グレン・ステール議員は「カンタスは豪州企業として、豪州人スタッフを育成し雇う義務がある。豪州人スタッフを雇用し続けて利益が下がるという問題は起こらない」などと述べ、海外人材の登用は受け入れられないと主張している。

これに対して、同CEOは規制厳格化によって、「ジェットスター事業がとん挫することになるか、同法の規制外とするために同事業を手放すことになるだろう」と述べた。さらにダーウィン便やケアンズ便の便数が削減されることになるなどと具体的な影響を述べ、カンタスの将来について、事業環境に適応していくか、破たんするかのどちらかだと警告した。

同法では、フラッグキャリアであるカンタスが事業の大半を豪州で運営することを求めているが、ジェットスターはその対象外とされており、現在は豪州国内でのいくつかの路線でタイに拠点を置く乗務員を雇っている。カンタスによると、タイ人乗務員の月収は2,000豪ドル(約16万5,000円)だが、豪州に拠点を置く乗務員は5,000~6,000豪ドルと2倍以上のコストがかかっている。しかも発展途上国系エアラインの乗務員は、カンタスのタイ人乗務員よりさらに1,000豪ドル安いという。アルバニーズ運輸相は、法規制の強化はカンタスに大きな影響を与えると懸念している。

見直しではこのほか、カンタスに対して豪州での機材補修などをさらに強く求めることなどが検討された。



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