2012年3月23日金曜日

■リン酸塩漬けのイカ、流通量は3000トン以上



リン酸塩漬けのイカ、流通量は3000トン以上
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/22/2012032200827.html
2012/03/22 10:03

 リン酸塩に漬けて重量を増やした輸入イカや、氷酢酸に漬けて酸味を出し、自然発酵させたかのように見せかけたエイが、釜山市や慶尚南道をはじめとする韓国全域の中華料理店や冷麺専門店、高速道路サービスエリアの店舗などに出回っていたことが明らかになった。

 南海海洋警察庁の広域捜査隊が21日に発表したところによると、水産物加工業者のA容疑者(35)=逮捕済み=と別の加工業者のB容疑者(48)=在宅のまま立件=の2人は、2008年から釜山市2カ所と慶尚南道金海市1カ所の工場でリン酸塩に漬けて加工した輸入イカ3122トンを全国に流通させた疑いが持たれている。氷酢酸に漬けたエイの流通量は188トンに達する。

 容疑者たちは、肥料の原料などにも使われる化学物質のリン酸塩にイカを漬けると水の吸収量が増えることを利用し、重量を1-3割ほど増やしたイカを流通業者や卸売業者など93業者に販売した。これら流通業者は、問題のイカを全国の中華料理店などに流通させた。海洋警察庁によると、消費者が肉眼でこうしたイカを見分けるのはほぼ不可能だという。

 容疑者らは、釜山市や慶尚南道の中華料理店9カ所には直接イカを納品していた。海洋警察庁は「さまざまな中国料理の具材としてイカが使われるため、多くの中華料理店がリン酸塩に漬けたイカを購入していたとみられる」と話している。

 また、A容疑者は同期間、氷酢酸に漬けて酸味を出したベトナム産のエイを流通業者62業者を通じて全国の冷麺専門店や中華料理店に販売し、釜山市などの飲食店22店舗には自ら納品していたことも分かった。エイは主に冷麺に添える具材として使われていた。

 エイの酸味を出すために使用された氷酢酸は、米国などの先進国では純度20%を超えると毒物として扱われる。氷酢酸は添加すると酢の20倍の効果が得られるため、低コストで抑えられる。警察は、容疑者たちが流通業者に販売する際、氷酢酸を使用したことを表示していなかったと明らかにした。氷酢酸は皮膚に付着するとやけどする場合があり、目に入ると視覚障害を起こす恐れもある。一度に20-50グラムを摂取すると、命の危険もあるという。

 海洋警察庁は、A容疑者が幽霊会社を設立して取り締まりを逃れていたことから、監督公務員との癒着があったかどうかについても捜査を進めるとしている。また、違法な食品流通業者の摘発に向け、今後は捜査を拡大していく方針だ。

リン酸塩・氷酢酸

 氷酢酸の酸度は99%以上で、一般の酢より20倍ほど高い。食品添加物として使う際には薄めて使用する必要がある。一定の濃度まで薄めない場合、重度のやけどを負うこともあり、目に入ると視覚障害を起こす危険性もある。

 リン酸塩はハムやソーセージなどの食肉加工品に使われ、弾力性を高める。ただし、規定量を守らなければ骨粗しょう症を誘発する恐れもある。




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