2012年6月22日金曜日

■橋下市長、“中之島図書館”必要なし!廃止して観光拠点に


■橋下市長、“中之島図書館”必要なし!廃止して観光拠点に
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120620/dms1206201226014-n1.htm
2012.06.20

 大阪市の橋下徹市長と大阪府の松井一郎知事は19日の府市統合本部会合で、中之島図書館(同市北区中之島)を廃止し、別の施設として活用する方針を表明した。近代建築物として評価が高い建物を、隣接する中央公会堂などとともに観光拠点化し、集客効果を高める狙いがある。

 具体的な活用方法は未定。会合後、松井知事は「例えばあそこで事業をしたいという公募事業者は、ものすごい数がいるはずだ。すごいスポットになる」と説明。橋下市長も「一等地で建物も素晴らしい。あんなところに図書館を置く必要はない」と述べ、集客施設などに活用する意向だ。

 中之島図書館は本館が1904年に建設され、円柱形の柱が並ぶギリシャ神殿風の正面玄関など格調高い外観が特徴。ステンドグラスをしつらえたドーム形の中央ホールは教会を思わせる空間で観光客からも人気が高い。本館は重要文化財に指定されており、約55万冊の蔵書がある。





■金井啓子のなにわ現代考 中之島図書館の「再起動」を
http://www.nnn.co.jp/dainichi/rensai/gendaikou/120622/20120622036.html
2012年6月22日

ツートップ首長に提案

就任からちょうど半年を迎えた大阪市の橋下徹市長。その日、住之江区の旧WTCビルで開かれた府市統合本部では、大阪市職員の3割弱に当たる約1万人を非公務員化するなどの方針が決められた。市営地下鉄や環境局を民営化することで、大阪市のスリム化を図るという。これ以外にも、大阪都を射程に入れた新たな都市制度の提案もなされたという。

また、この日の府市統合本部では府立中之島図書館を廃止し、別の施設として活用する方針も決められた。ただし、これには少々驚いた。これまでも文化行政を軽んじる傾向にあった橋下市長と松井一郎大阪府知事のツートップ首長だが、正直なところ、ついに図書館までもかというため息が出るような思いはぬぐい切れない。

中之島図書館といえば、大阪市役所の東側出入り口の近くにある由緒ある建造物である。円柱が並ぶギリシャ神殿風の正面玄関など格調高い外観が特徴で、1904年に住友家の寄付により開館された。いまは国の重要文化財に指定されている。蔵書は約55万冊と、図書館の規模としてはさほど大きくはないが、その重厚で格調高い外観から、観光名所としても名高い。

その中之島図書館について、橋下市長は「あんなところに図書館を置く必要はない」と述べ、松井知事も「例えばあそこで事業をしたいという公募事業者は、ものすごい数がいるはずだ。すごいスポットになる」と廃止に乗り気だったという。

ならば、「あんなところ」ではなく「どんなところ」なら図書館の立地にふさわしいのかという嫌味が、つい口をついて出そうになる。だがそれはさておき、図書館という「知識の宝庫」が失われるのは寂しい限りである。「蔵書は別の場所に移管するから図書館の機能は失われない」「年間の利用者は少ない」という意見もあるだろう。だが、大阪市の政治と経済の中心地に“知の殿堂”があること自体が、大阪の文化レベルの高さを内外にアピールすることにつながるのだ。大阪人の教養と知性の高さを誇る象徴でもある。

松井知事が言う「ものすごい数の事業者」のうち、どのような事業者が入るのかは不明だが、願わくば大阪人の品性、教養に疑いがもたれる事業内容にだけはしてほしくない。そこで提案がある。もし許されるのなら、やはり知識のデータベースとして中之島図書館を再起動できないものだろうか。

古今東西の、それこそ政治・経済・社会・文化、そしてスポーツや芸能、アニメまでの膨大な知識と資料、画像・動画が、これまでの図書という紙ではなく、コンピュータ上のデジタルデータとして簡単に閲覧できる施設が完成すれば素晴らしいと思う。ついでに、閲覧しながらおいしいコーヒーでも飲めれば粋なものだ。

明治時代の由緒ある建物と最新のデジタル技術が合体すれば、そのミスマッチも話題になるだろう。筆者から、教養と知性、品性を備えた二人の首長へ。以上、ひとつのアイデアとして、ご検討を願えれば幸いである。




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