2012年6月2日土曜日

■不安定化を加速させる中国の結婚生活 女性の権利、財産、嫁姑


不安定化を加速させる中国の結婚生活 女性の権利、財産、嫁姑
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0528&f=national_0528_056.shtml
2012/05/28(月) 11:09
       
 中国の80後世代の若い夫婦は親世代が開いた口がふさがらないような数々のものを「発明」してきた。例えば、家事を分担するための“家事決めさいころ”、思わず苦笑してしまうような、だが個人の意思をはっきり示した“婚前保証書”など中国の特色満載の家庭財務制度……

 実は中国の改革と経済の発展に伴い、一人っ子家庭が多くなり、「親と一人っ子」という強い血縁により以前にはなかった親、子、そして孫の三代が一緒に住むというケースの家庭が増えてきた。彼らは親の世代が得られなかった経済上の豊かさ、精神的ゆとり、親密な関係、それに加えて新たな家庭問題をも経験している。

 女性が社会の中で経済的立場を得てきたため、家庭の中でも女性の決定権或いは発言力がこれまでになく強くなってきた。それは一方で時代の進歩でもあるが、その一方で男性の価値観がまだ十分な変化を遂げていないため、家庭での言い争いや問題は避けられなくなっている。

 一家庭に主婦は一人。現代の嫁姑問題の核心はだれがこの新しい家庭で決定権があるかということにある。家庭ドラマの脚本家の多くは女性であり、彼女たちは嫁姑問題の複雑さを身にしみて感じている。しかし、「私の最高の姑」「もう鬼嫁には耐えられない」などの不満は、時代の進歩につれ、新しい内容も含んでいる。

 あるコンサルタントが発表した現代の嫁姑問題に関する調査は以下のとおり:

 嫁が産んだ子は男の子か女の子か、また老人の世話による家計のいざこざといった問題は、現在の嫁姑の関係で表沙汰にされることは少なく、むしろ、生活習慣の違いが問題となっている。8つの主要都市での調査の結果、84.5%の嫁が生活習慣の違いの主要な問題は姑にあり、姑が都市に住む以上は、都市のライフスタイルに合わせるべきだと考えている。

 一級都市、二級都市において嫁姑が仲良くやっているケースは全体の36.8%に過ぎず、80後世代の嫁と60後世代の姑が嫁姑の関係となっているのが主流であるが、観察によるとどちらもお互いに嫌気がさし、申し合わせたかのようにお互いに距離を置くという方法をとっている。さらに別の調査によると50.3%の嫁がそして53.1%の姑がどちらも同じ屋根の下に住むこと拒否しているとのことだ。

 10年前、社会学者たちは家事や経済事情が家庭に及ぼす影響は大きくないと考えていたが(それは結婚する前からお互いの経済事情をよく知り、家庭におけるそれぞれの役割がはっきりしていたため)、10年後、そうした考えもしだいに覆されつつある。

 中国の多くの家庭では、妻が家庭経済の実権を握り、家賃、車代、旅行費用など主要な出費の67.5%を管理している。南京大学の調査によると80後世代の女性の42.6%は「もし家庭で自分に決定権がないなら、或いは決定の際に自分の意見が考慮されないなら離婚を主張する」と考えている。そして家庭の役割分担も男は働き、女は家を守るという伝統的なスタイルから男女平等へと変化している。

 妻たちは、結婚生活における男女権力争いにおいて勝利を得たようだが、その結果結婚関係は未曽有の危機を迎えている。改正が続く法律は結局どちらか一方の利益を損失させ、夫婦双方の安心感を失わせている。裏切りの代償の低さ、血縁問題、家事分担が理にかなっているか、夫婦双方の結婚生活における自分の立場の考え方の違い、これらすべてが婚姻に修復不可能なひびをもたらしている。上海民政局の統計によれば、2011年、上海における離婚の中で、27%は電撃離婚の80後世代の夫婦で、離婚原因もたいていはたわいもない生活上の雑事である。

 北京結婚相談所の黄玲氏は、結婚生活において、女性がますます自立し、自信をもち、夫への要求も高くなっていると指摘し、さらにこうコメントしている。「家庭理論や家庭のあり方の変化は、女性の変化に追い付いていない。夫はたいてい妻の要求通りに変化することをしぶり、愛情という要素は結婚生活の核とはなっていない。」

 浙江省のある調査によると、この省における70,4%の80後世代の夫婦はお見合い結婚で、恋愛結婚はわずか26%である。またお見合いもすべて計算しつくされたもので、家柄、年収や職業が決定的要素となっている。

 『婚姻法』には、“結婚後男女いずれかの親が子のために家を買った場合、離婚すればその家は資金を出した側の所有に帰す”という新たな説明が打ち出され、若夫婦のさらなる挑戦となっている。それで、結婚前に不動産などの財産分けを書面にして残す事態が生じてきているが、これもまた新たな問題を生むのは目に見えている。多くの若夫婦は結婚後に初めて相手を理解し、許すことを学んでいく。しかし、彼らの感情が培われる前に、物質の物がいとも簡単に婚姻を破たんさせてしまう。



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