日本のモバイルサービスは世界一だがアップルに勝てない理由
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0706&f=business_0706_028.shtml
2012/07/06(金) 09:28
中国網日本語版(チャイナネット)は5日、「世界一の日本のモバイルネットサービスがアップルに勝てない理由」と題する記事を掲載した。以下は同記事より。
「これまで多くの米国の技術系専門家が日本視察に訪れてきた。彼らはNTT DoCoMoやニンテンドーの無線設備が提供する機能(および速度)に驚き、思わず自分の持っている古臭い携帯をポケットに仕舞い込んだものだ」
これはモルガンスタンレーによる、携帯インターネットサービスに関する報告書の冒頭だ。21世紀初頭から長い間、NTT DoCoMoを代表とする日本企業は、携帯インターネットサービスに従事する全世界の人びとの聖地だった。当時のシリコンバレーは、日本に比べたら僻地でしかなかった。
2007年にアップル社が売り出したiPhoneがブレークしてから、米国が日本に取って代わった。それは日本でも同様だが、それでも日本人は今、世界でもっとも良好な携帯電話サービスを享受しているのだ。
■日本の携帯インターネットサービスの始まり
中国や米国と違って日本では、まず携帯によるインターネットサービスがあった。その後、インターネットが発展した。日本の3Gユーザーの割合は依然として世界最大で、90%以上にのぼる。
発達した通信ネットワークが、日本のすべてのモバイルネットサービス産業を加速度的に成長させた。携帯電話の音楽、携帯電話の書店、携帯電話での支払い、携帯電話のゲーム、携帯電話での動画鑑賞など、さまざまなサービスが発達し、GREEやDeNAといったインターネット企業が成長した。
日本のモバイルネットサービスの大部分は、通勤中に使われる。不動産価格の高騰により、ほとんどの日本人が都市郊外に住んでおり、公共交通機関を使って通勤している。通勤時間中に携帯サービスを利用することが一般的だ。
携帯によるソーシャルゲームは過去10年の日本経済で最大の成長を見せている。この市場の成長は驚くべきもので、GREEの最新の業績は190%の成長率だった。GREEによると、2012年の営業収入は22億ドルに達する見込みで、8億のユーザー数を誇るFace Bookは37億ドルだ。日本市場におけるGREEのユーザー数が2890万人でしかないことを考えると、驚くべき収益であることが分かる。
日本のモバイルネットサービスでもっとも評価すべきは「おサイフケータイ」だろう。日本の各通信キャリアは、全国のコンビニ、地下鉄、レストランでおサイフケータイが利用できるようにしている。まさに携帯がおサイフになっているのだ。
2007年にアップルがiPhoneを売り出した時、日本最大のキャリアであるNTT DoCoMoはiPhoneの取り扱いを熱望した。しかしアップルとの交渉は失敗に終わった。NTT DoCoMoが擁するサービスをiPhoneに組み入れることを、ジョブズがきっぱりと拒否したからである。
その後、孫正義が率いるソフトバンクが日本でiPhoneを売り出すことになった。この革命的な携帯端末は、当初こそ売れ行きは芳しくなかったが、使い勝手の良いiPhone 3GSやiPhone 4が売り出されると、iPhoneブームが日本国内で起こった。
日本の通信キャリアが構築した各種携帯サービスが相当に強力だったとはいえ、iPhoneのようなスマートフォンの使い勝手は、日本的な携帯よりはるかに優れていた。現在、日本の3大キャリアは、さまざまなAndroidスマートフォンを売り出すようになった。
■最後のよりどころ
2011年、日本の大きな携帯売り場のほとんどがスマートフォンに取って代わった。日本の機能的な携帯がスマートフォンに変化するまでの過程は、米国よりはるかにゆっくりだった。現在、日本のスマートフォン普及率は15%前後であり、米国の35%と比べて非常に低い。これまでの機能的な携帯が、すでにほとんどの需要をカバーしていたからだ。
日本の通信キャリアが主導するこれまでのモバイルネットサービスは、本質的に閉じられたものだった。このモデルによって、日本の携帯インターネットサービスは急速に発展してきた。しかしキャリアがすべてを握ることによって、資源を限定させる状況をもたらし、またこのモデルが複雑すぎたことから、アップルのような「App Store」のような臨機応変な対応ができなかった。
モバイルネットサービスをスポーツカーにたとえるならば、3Gは高速道路だといえる。この高速道路の品質は、そこを走る車がどれだけ速いかで決まる。キャリアにとってもっとも重要な任務は、この高速道路をいかに良く作るかにあり、スポーツカーを作ることではない。
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