2012年7月2日月曜日

■韓国 結婚費用:「貯金だけでは無理。親に頼るしか…」


韓国 結婚費用:「貯金だけでは無理。親に頼るしか…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/01/2012070100154.html
2012/07/01 10:19 朝鮮日報

特集「親の涙で奏でるウエディングマーチ」
親の支援で結婚する20-30代、複雑な心境を吐

 デパートの店員キム・ミンジュンさん(32)=仮名=は、毎月約250万ウォン(約18万円)の給与を受け取り、入社から3年間で5000万ウォン(約356万円)を貯金した。職場の先輩や後輩たちは「月給をためて財閥になった男」と呼び、うらやましがった。だが、キムさんにとって貯金は、結婚するためには仕方のないことだった。

 「私の貯金に、地方の大学で教授を務める父親の貯金5000万ウォンを足しても、家を借りるのに必要な伝貰(チョンセ=高額の保証金を預ければ、その運用益で家賃負担が不要となる韓国独特の賃貸制度)の保証金を工面するのは困難だ。私と父親がそれぞれ5000万ウォンの融資を受けて、ようやく良才洞(ソウル市瑞草区)の共同住宅(広さ56平方メートル)を借りることができた。親に負担を掛けまいとあくせく働いて貯金してきたが、どうしようもなかった。私の蓄えだけで結婚するには、40歳になるまで金をため続けなければいけない」

 本紙の結婚費用シリーズに共感したのは、50-60代の親たちだけではなかった。結婚の当事者である20-30代の読者たちからも、数多くのコメントやメールが寄せられた。若い読者たちの思いは、親たち以上に多様で複雑だった。その中でも特に目立ったのは「無力感」を吐露するコメントだった。

 今年1月、韓国中堅企業連合会が行った調査の結果、韓国の中堅企業の大卒新入社員の初任給(年俸)は平均で3075万ウォン(約219万円)だった。結婚するためには、3年以上かけて貯金し、ようやく平均的な結婚費用の2億808万ウォン(約1483万円)を準備できるというわけだ(本紙と結婚情報会社「ソンウ」の共同調査結果)。

 若い読者たちの「無力感」は(1)親に頼るのは申し訳ないが(2)ほかの人たちも皆そうしているし(3)世の中にはもっと多額の支援を(親から)受ける人も多い-という心理につながっている。

 「年俸が高い大企業に2年間勤務して、2500万ウォン(約178万円)を貯金した。しかし、結婚するにはその金だけでは不十分だった。結局、親が老後のために貯金した中から、伝貰の保証金として1億5000万ウォン(約1100万円)を支援してくれた。結局、自分の力で結婚できる人はいないのだから、親に頼るのは当然だと思う。率直に言って、私は今、親に対して申し訳ないという思いよりも、負担を掛けているという思いの方が強い。親が老後の資金の中から支援してくれたのだから、親の老後の面倒は私が見なければならない」(キム・ジョンミンさん〈29〉=仮名=)

 本紙とソンウ社の共同調査に協力した回答者について、親の資産や当事者の年俸に応じて分析したところ、どの階層でも親が子どもの結婚費用を支援している点は同じだが、特に裕福な家庭でその傾向が強いことが分かった。

 低所得層の親(資産額5億ウォン=約3600万円未満)と中産階級の親(同5億ウォン以上-10億ウォン=約7100万円未満)は、子どもの結婚費用のうち半分まで(15-50%)を負担していることが分かった。新郎の年俸が高くなるほど、親の支援額は減り、本人の負担額が増える傾向が見られた。ところが、富裕層の親(資産額10億ウォン以上)は、子どもの結婚費用の56-71%を負担していることが分かった。新郎の収入が多いほど、親の支援額も増えるという傾向も見られる。

 「親に頼ることなく、完全に自分の力だけで結婚する人は、はっきり言って1人も見たことがない。昔は20代同士の紹介(通称「ソゲティン」。第三者の紹介で、初対面のカップルがデートする)で『どこの大学を出たか』『身長は何センチか』といったことを質問したが、私たちの世代ではそのような話題は後回しだ。『お父さんは何をしている』『家はどこにあって、広さはどのくらいか』といったことをまず聞く」(チョン・ジヘさん〈31〉=仮名=)

 親の支援で結婚する傾向が強まる中、剥奪感を感じる若者たちも増えている。読者のイ・ジヨンさん(31)=仮名=は「記事を読んで悔しさや寂しさを感じ、怒りを覚えた」というメールを送ってきた。

 「彼氏(34)と6年間付き合っている。一昨年から結婚を考えているが、経済的な理由のため、ずっと先延ばしにしている。相手の両親はすでに亡くなり、私の両親も闘病中だ。できるだけ簡素な形で結婚式を挙げようと約束したが、今の状況ではそれさえも不可能だ。2人ともいい年なのに結婚もできず…」

 このような無力感や剥奪感を乗り越え、自分たちの力で立ち上がろうとする若者たちを応援するため、本紙と女性家族部(省に相当)は「100組キャンペーン」を展開している。挙式に必要な最小限の費用を自分で調達し、1000万ウォン(約71万円)程度の簡素な結婚式を挙げるカップル100組を選定し、最高の結婚式場をあっせんしようというプロジェクトだ。同キャンペーンに申し込んだキム・ムクヒョンさん(31)=仮名=は「博士学位を取得するまで、苦労しながら面倒を見てくれた親に、これ以上負担を掛けたくない。彼女とは『最大限、自力で結婚しよう』と約束した。若者たちが自分の力で結婚できる社会になってほしいと思う」と語った。



0 件のコメント:

コメントを投稿