【コラム】 10万人を超える中国の日本語学習者
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0706&f=column_0706_004.shtml
2012/07/06(金) 02:31
最近、二、三の大学で日本語を専攻している若者たちのさまざまなコンテストの評議員をさせてもらったが、その際関係者から、今や中国で日本語を専攻している学生の数がすでに10万人を上回っていることを聞き、その発展ぶりに驚き、かつ、喜びを覚えた。そして、若い学生たちの目の輝き、日本語を学ぶ意欲をまのあたりにして、これらの若者たちがやがて、日本語学、日本文学の研究、紹介、二国間のビジネスなどさまざまな分野で活躍することになるのだ思い、感無量だった。
日本の新聞の記事に、中国のある若者が日本語を専攻しようとすると、親兄弟から日本と中国の過去のことを持ち出され、その選択がはたして正しいのかと詰め寄られたと書かれていたが、私見ではあるが、そのように狭量な中国人はごく少数だと思う。私の知人の中には自分の子供が日本語を専攻していることを誇りとしている人もかなりいることをしるしておきたい。外国語を勉強することは、その国の歴史、文化を知ることであり、また自分の視野を広げることにもなり、すばらしい選択だと言える。
大学関係者には卒業生の就職問題を心配している人も少なくないが、第二外国語として日本語を選択した学生たちを含めると日本語学習経験者は十数万人もおり、これらの学生たちには、これは杞憂ではないかと思う。中国が高度成長で大発展をとげている今日のこと、まだまだ就職のチャンスはたくさんあると思う。
私たち古い世代は、今日のような好条件に恵まれなかったが、それでも元上司や先輩たちは当時としてベストの環境条件を作ってくれたおかげで、それぞれが、自分なりに「これだ」と思うユニークなシステムを構築してきた。今日の若者たちも改革、開放の追い風を背に大きく羽ばたいてもらいたい。
若者ちたと話していると、日本語の勉強は英語より難しいという人もかなりいるが、私はどの国の言葉でも外国語を完全にマスターすることは同じように難しいし、また、ちゃんとマスターしている人が大勢いるのだから、不可能ではないといつも励ましている。
余談になるが、かつてミスターYENといわれていた榊原英姿氏と和田秀樹氏の「本物の実力のつけ方」という本に、バイリンガル、バイカルチャーの必要性について書かれているのを見て、私はこれだと思ったことがある。日本語だけでなく英語力を身につけ、バイカルチャー的考え方を身につけるのだ。それができればこの分野で希少な存在になれる、そうなれば、求職どころではなく、ヘッドハンターのターゲットになるかも知れない。
私も評議員の仕事をお手伝いする中で自分の来し方を振り返り、元上司や先輩たちのひとかたならぬご指導に感謝するとともに、これまでのユニークなシステム開発の苦労をあらためて思い起こした。今の若者たちがそれぞれ自分のターゲットに向かって前進することを願っている。
中国と日本は数千年の交流の歴史があり、長い歴史の中で、逆流みたいなものもあったことは否めないが、両国国民の相互理解を深めるためには、コミュニケーションのツールとしての語学は不可欠である。この分野の人材はまだまだ足りない。次から次にとバトンタッチできる人材を育てていくことが欠かせない。
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