2012年7月5日木曜日

■【コラム】 【海外情報ブログ】大統領選挙、そして若者達


【コラム】 【海外情報ブログ】大統領選挙、そして若者達
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0630&f=column_0630_022.shtml
2012/06/30(土) 10:53

メキシコ現地生情報スタッフブログ
今年7月1日に、メキシコは総選挙である。

それで、今、何処もかしこも、テレビ、ラジオ、新聞のメディアも、メキシコ中が、選挙!選挙!と、選挙運動真っ最中、選挙戦争真っ最中。
大統領だけでなく、州知事や地区の長や国会議員など、政治家の総選挙であるから、町の中の広告のほとんどがその選挙運動広告ともいえる。

観光会社のブログの記事に政治的な話はどうか?とも思うが、今のメキシコの最大関心事といえる事なので、勝手に許してもらちゃおう。

私はメキシコの選挙権はないが、やっぱりメキシコに住んでいる以上、特に大統領選挙は気になる。
大統領が誰になるか?で、実にこれからの6年のメキシコがどうなるか?と言うほど、大統領の政治力、影響力はメキシコでは、絶大であると言えるのだ。

6年前の大統領選挙は、過去最大の物議をかもした選挙であったのだ。
そして、今の情況からみて、今回も無事選挙が正しく行われるか?甚だ疑問な気がする。
6年前の大統領選挙は、すぐに結果がでないと選挙管理委員会が言い続け、最終的には、その差わずか0.56%で、現在の大統領カルデロンが勝ったという結果を出した。
これで、落とされたロペス オブラドール派が納得するはずもなく、その後、国を真っ二つに分けた議論、抗議も続いた。
この6年前の選挙は、当時の大統領はじめ、国、マスメディアが画策した不正選挙だったと、ロペス オブラドール支持者だけでなく、多くの人が思っている。

メキシコの歴史において不正選挙はむしろ当たり前であった。
メキシコで、PRI(制度的革命党)が70年以上独裁的に政治を牛耳って来た時代、
「メキシコの大統領選挙は、世界でも最も早くその結果を出す。大統領は選挙前から、決まっているのだから。」と言われていた。
もちろん、不正選挙と抗議のあった事もあったが。

上は大統領から下は警察官まで、汚職政治、汚職国家だと言われるほど、汚職は当たり前風に言われている。
そして過去大統領も、それに連なる政治家も、大統領の家族親戚、友人なども、大統領任期を終えると大金持ちになるという事実。

長い70年以上ものPRI政党の、腐敗した独裁政治に不満を持っていた国民が12年前に、CAMBIO(変革)を旗印にしたPAN政党(国民行動党)のフォックスを
政党、イデオロギーに関係なく、兎に角PRIでない大統領を!と、選挙で選んだ。
変革を旗印にしたフォックス大統領の政治も、実際何の変革もなく、PRI時代同様に腐敗政治であった。(実際、フォックスもその家族も大金持ちになった)

そして、6年前に、庶民の絶大な人気を得た、メキシコシティの市長であったロペス オブラドール(イニシャルを取ってAMLOといわれる)と、
当時のフォックス大統領の後継者となったPAN政党の現在の大統領カルデロンの極差の物議をかもした選挙。

今年の選挙は、またまた12年間のPAN政党の政治に不満をもつ人や、カルデロンの麻薬組織攻防への対策の失敗で、特にメキシコ北部地区で治安が悪くなっていう情況に不安を持つ人々がPRIに返る方がまだマシかも?と。
そんな国民感情の中で、可能性が高いと言われているのがPRI党のメキシコ州知事であったエルネスト ペニャ ニィエト候補。

そして、なお庶民の絶大人気を維持しているPRD党のAMLO候補。

そして、与党PAN政党の女性候補で、文部省大臣をやったフォセフィナ バスケス候補。

そして、もう一人ヌゥエボ アリアンサ党の候補だが、これはまったく問題外。単に、選挙運動費が欲しくって候補になっているし、傀儡候補だし。

今年の大統領選挙も、06年の大統領選挙同様に、報道、マスメディア、特にテレビ、ラジオがモノポリーの独占企業で、
テレビサ、TVアステカのオーナーはメキシコの5本の指にはいる大金持ちであるが、そのモノポリーのマスメディアによる偏った情報、操作された情報が流されている事に、大いなる問題がある。

6年前、メキシコのモノポリーの大企業が多いに金をだし、モノポリーのマスメディアのテレビで、「AMLOはメキシコにとって危険人物」の大合唱をした。
そして、選挙開票には、選挙管理委員会と政府の操作が加わって、極差でカルデロン勝利を決定した。

そして、今年の大統領選挙の行方は?
今、大統領候補達は、選挙運動に必死であるが、この5月、最近の1週間のうちに、若者達、大学生達の間に起こった出来事は、特筆に値する。

マスメディア 特にモノポリーであるテレビ会社の大宣伝、操作された情報が流され、その寵児がPRI政党のエルネスト ペニャ ニィエト候補であるにもかかわらず、
若者達は、今の時代マスメディアでない、インターネットでの、偏らない情報、操作されない情報をいち早く手にいれ、物事を判断するという事をちゃんとしているという事になるのだろう。

エルネスト ペニャ ニィエト候補がイベロアメリカ大学をその選挙運動で訪れた。(5月11日)
その時、エルネスト ペニャ ニィエトが州知事の時のアテンコの農民への弾圧の出来事などに対して学生達が、プラカードやら抗議の叫びで対応した。
そのニュースは、瞬く間に、ユーチュブやフィエスブック、Twitterによって広まった。
http://www.youtube.com/watch?v=5L
Lvh6XSJGI
ユーチューブの閲覧は一日たたぬうちにウン万回を記録するという速さであった。

それに対して、PRIは慌てて、エルネスト ペニャ ニィエトを応援する学生やイベロアメリカ大学の訪問の不都合を取り除いた編集された動画をユーチューブにアップし、
また、PRI党は、一部そういう事があったが、それは、他の政党候補(AMLO)による扇動で、彼らはイベロの学生ではないとコメントをした。

それに対して、学生達は、ユーチューブで131人のイベロの学生がその学生証を手に、
「自分達はイベロの学生で、けっして扇動されたものでない、自分達の行動だ。」と動画をアップ。
http://www.youtube.com/watch?v=P7
XbocXsFkI&feature=channel&list=UL

そして、イベロの学生はじめ学生達若者が行動を起こした。(5月18日)
マスメディアへの抗議、特にテレビサへの抗議、偏った情報、操作された情報を流すメディアへの抗議である。
テレビサの前での学生達のデモ。それは、”yo soy el 132”(「自分は132である」)
http://www.youtube.com/watch?v=f-
mtJaRHxho&feature=related

そして、また彼ら学生達若者を中心に、Twitter、Facebookなどインターネットを通して、全国一斉デモを企画した。
それはAnti-EPN(反エルネスト ピニャ ニィエト)デモである。
彼らはインターネットによって、瞬く間に多くの参加者を得た。
メキシコの色んな都市で、5月19日 Anti-EPNデモが若者達を中心に繰り広げられた。
http://www.youtube.com/watch?v=M1
g2Qy-aj2M

そして、もちろんその様子、またこの若者達の行動は、ユーチューブなどインターネットで、ニュースとして、
また今のメキシコの現状を是正したいと思う若者達の行動力となって広がっているのだろう。

それは、すべてイベロアメリカ大学の出来事があってから、1週間ほどの出来事である。
まだ、大統領選挙まで、1ヶ月ちょっと時間がある。
選挙戦争がどう展開していくのか?若者達がどう行動してゆくのか?マスメディアがどう反応していくのか?政府がどう対応していくのか?

私は若者達にメキシコの明日を託したい気持ちである。(情報提供:阪急交通社/記者:サッチー)

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現地記者:サッチー
メキシコに語学留学後、1977年に渡航。
のべ28年間メキシコ生活。
現在、観光ガイドの仕事をしている
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