2012年8月9日木曜日

■なでしこ:勝っても負けても快挙となる決勝・不安要素は…


なでしこ:勝っても負けても快挙となる決勝・不安要素は…
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0809&f=national_0809_050.shtml
2012/08/09(木) 12:34
       
 「なでしこジャパン」ことサッカー女子日本代表が6日(日本時間7日)、イギリスのウェンブリースタジアムで、ロンドン五輪準決勝の相手・同フランス代表と対戦。五輪直前の強化試合で完敗(7/19、●0ー2)した相手に2ー1でリベンジを果たし、日本女子サッカー界で初となるメダルを決定させた。

 なでしこは前半、細かいパスを警戒したフランスDF陣が積極的に前に来ているのを見るとロングボールを多用。連動した大儀見優季や大野忍が裏を狙う動きを見せ、DFラインを下げることに成功した。そして細かいパスで流れを作ると、フランスはたまらずファウル。FKで宮間あやが放ったロングパスからゴールが生まれ、なでしこの作戦がハマり先制点が生まれることとなった。

 守備面ではフランスがロングボールとミドルシュートを狙う、パワーに頼った単調な攻撃を仕掛けたことで守りやすい時間が続いた。しかし2ー0で迎えた後半31分、日本の左サイドを突破され1点差に詰め寄られると状況は一変。史上初のメダルを確定させたい気持ちはピッチ上の選手の共通意識だったが、それが、追加点を奪いたい選手と、1点差を守りたい選手の距離感を悪くし攻守で苦戦する要因となった。多くの選手がボールウォッチャーとなり、慌てる対応が増えた。しかし相手のPK失敗や、GK福元美穂が神懸かり的なセーブを連発し事なきをえた。

 決勝の相手は五輪3連覇をもくろむアメリカ。昨年の女子W杯と同じ組み合わせとなった。直近の対決では、組織的な素早いプレスでなでしこ対策を敷いたアメリカに大敗(6/18、●1ー4)している。しかしこれは、フランス戦前半のように裏を意識した攻撃を仕掛ければ打開できる可能性がある。また、試合が停滞してきた時間には、高瀬愛実の起用に期待したい。日本が唯一、アメリカ相手に90分間で勝利した試合(3/5、○1ー0)で決勝点を挙げた勝負強さがあるだけに、苦しい時間帯に高瀬が出てくることはアメリカにとって日本が思っている以上のプレッシャーとなるだろう。

 アメリカの攻撃は両サイドが起点。それだけに今大会、調子の上がらない鮫島彩は不安材料となる。準決勝の後半も、フランスは日本の左サイドを執拗(しつよう)についてきていた。決勝では、より周りの選手が連動しながらサポートし、フランス戦のように、慌てるだけの“らしくないディフェンス”にならぬよう気持ちも強く持ちたい。センターバックの岩清水梓と熊谷紗希は、中盤の沢穂希や阪口夢穂ら中盤と協力し、ここまでシンクレア(カナダ)やマルタ(ブラジル)、ネシブ(フランス)といった相手エースを完璧に近い形で封じてきている。決勝でもワンバックとモーガンの両エースを沈黙させる鉄壁を期待したい。勝っても負けても“快挙”となる決勝なだけに、なでしこには少しでもプレッシャーを感じずに、勝ちを意識しすぎずにプレーしてもらいたい。



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