2012年8月13日月曜日

■生活保護家庭の少女、世界的なピアノコンクールで優勝


生活保護家庭の少女、世界的なピアノコンクールで優勝
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/12/2012081200361.html
2012/08/12 09:15 朝鮮日報

17歳のムン・チヨンさん、近所の教会やピアノ教室を回って一人練習
芸術中学校に合格も、学費が払えず入学を諦め
低所得層支援のイベントで才能に目を付けた教授が指導
   

8日(現地時間)、ドイツのエトリンゲン国際青少年ピアノコンクールで1位となったピアニスト、ムン・チヨンさん(17)/写真=エトリンゲン国際青少年音楽コンクール提供

 全羅南道麗水市で、6歳からピアノを弾いてきたムン・チヨンさん(17)の家にはピアノがない。両親はそれぞれ障害2級、3級で、基礎生活保障(生活保護に相当)受給者であるため、1カ月に80万ウォン(約5万5000円)の支援を受けている。4年前、ソウルにある芸術中学校の合格通知を受け取ったが、学校に通うのにお金がかかりすぎるため、入学を諦めた。代わりにムンさんは一人家で勉強した。ピアノがある近所の教会やピアノ教室を回って1日8時間ずつ練習に没頭した。

 そのムンさんが、8日(現地時間)ドイツで開催された第13回エトリンゲン国際青少年ピアノコンクールで優勝し、世の中を驚かせた。中国のスター演奏者、ランラン氏(1994年)、韓国のソン・ヨルム氏(2000年)とキム・ソンウク氏(2004年)などは、皆この大会で優勝し世界的な演奏者の道を歩み始めた。ムンさんの演奏を聴いた大会審査委員団は「音楽的な想像力が17歳とは思えないほどで驚いた」と評した。韓国出身としては、3人目の大会優勝者だ。20歳以下の青少年を対象に隔年で開催されるこの大会には、今年世界40カ国の青少年演奏者251人が参加した。

 「ピアノがひきたい」とせがみ6歳の時に初めてピアノを習ったムンさんは、12歳まで麗水のピアノ教室で習った。12歳のときにはソンファ音楽コンクールの大賞と音楽春秋コンクールの3位に入賞し、頭角を現した。その後2年間、ソンファ音楽英才アカデミーに通った。2009年ポーランドで開かれたアルトゥール・ルービンシュタイン国際青少年コンクールでも共同1位となった。10日、ドイツ・エトリントンから電話を受けたムンさんは、「どんなに辛かったり、緊張したりしてもピアノの鍵盤の前に座ると全てを忘れて落ち着くことができた」と話した。

 高校2年生に当たる年齢だが、すでに検定考試(日本の高等学校卒業程度認定試験=旧大検に相当)で、高校の課程を終えた。母親のイ・ポンネさん(49)は「親としてまともに支援もしてやれず、いつも申し訳ない気持ちばかりだが、あの子は一度も嫌がる素振りを見せなかった。ただ感心するばかりだ」と話した。

 ともすれば「可能性がある音楽の英才」程度に留まるかもしれなかったムンさんが、音楽的に飛躍する機会を得たのは3年前。当時、韓国メセナ協会と社会福祉共同募金会は、低所得層の青少年に芸術教育の機会を与えようという趣旨で「アート・ドリーム・コンクール」を初めて開催した。この大会の中等部で大賞を受賞したムンさんは、ピアニストのキム・デジン教授(韓国芸術総合学校)に出会い、1週間に一度指導を受けられるようになった。

 今年3月、ムンさんは韓国芸術総合学校付属韓国芸術英才教育院に入学し、キム・デジン教授との師弟関係は続いている。恩氏のキム教授は、「練習したくないとだだをこねることも多い年齢なのに、ムンさんは音楽に対する飢えから常に音楽を求めていた。そのためこの子のピアノからは大人っぽい深さが込められていた」と話した。芸術の各分野の英才を早期発見するために2008年に設立された韓国芸術英才教育院は、授業料が全学国費で賄われている。

 幸いにも授業料の心配はなくなったが、ムンさんは、交通費も節約するために高速鉄道(KTX)の代わりにムグンファ号(特急列車)に乗る。列車に乗ると5‐6時間かかるため、麗水には明け方に到着する日も多かった。ソウルで、2日連続で授業を受ける日には、チムチルバン(24時間営業のサウナ)で寝たこともあった。このような 事情を耳にした韓国芸術総合学校発展財団の理事会では、最近ムンさんにピアノを提供することを決めた。

 今回の大会の優勝で、ムンさんは5000ユーロ(約48万円)の賞金と、ドイツで独奏会を開催する機会を得た。言葉少ないムンさんが、電話の向こうで恥ずかしそうに話した。「ロシアの名ピアニスト、エミール・ギレルスのように人々の心を動かす演奏をするのが夢です」



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