訪中客減り、観光赤字膨らむ ホテル・ゴルフ場などに投資偏り
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120806/mcb1208060503012-n1.htm
2012.8.6 05:00
中国旅游研究院が2012年の中国観光業界に関する上期分析と下期予測を発表した。それによると、上期は全体的に安定成長を保ち、受け入れ観光客数は前年同期比13%増の16億人、観光総収入は17%増となる1兆2800億元(約15兆7600億円)に達する見込みという。
一方、国内観光客数が前年同期比14%増、海外を訪れた中国人観光客数が19%増を達成したのに対し、中国を訪れた海外からの観光客数は前年同期比でマイナスを記録。専門家は「中国観光市場の高度成長期は終わりを告げた」と分析している。
同院の戴斌院長も「今後は、海外からの観光客数の増加率は1~2%にとどまり、観光収入も、10~11%の増加率に落ち着く可能性が高い」との見方を示している。
同院が発表した12年の通年予測によると、受け入れ観光客数は30億人超、観光総収入は2兆5400億元に達して、このうち国内観光客数は前年比11%増の延べ29億人、国内観光収入は同16%増となる2兆2300億元に上る見込みという。
注目すべきは、中国の観光サービスにおける貿易赤字が拡大している点だ。今年上期、中国人の出国先での観光消費額が360億ドル(約2兆8250億円)に上ったのに対し、中国の観光外貨収入は235億ドルにとどまっており、貿易赤字は125億ドルを記録。通年では、330億ドルに達すると予測されている。
同院によると、観光サービス貿易が初めて赤字に転じた09年は33億ドルだった赤字額が、10年には97億ドル、11年には200億ドルと拡大を続けている。
成長率の失速以外にも、産業構造上の問題点が指摘されている中国の観光市場。戴院長は、星付きホテルやゴルフ場などに多額投資が行われている現状を指摘し、不動産投資ばかりに頼る市場の開発のあり方に警鐘を鳴らしている。(中国新聞社)
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