2012年8月17日金曜日

■阿波おどりが1番に 観光客も参加できる夏祭り


阿波おどりが1番に 観光客も参加できる夏祭り
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO43450150W2A700C1000000/
2012/7/13 6:30

 祭りばやしの音色に盆踊りの音頭……。年中行事のひとつとして日本各地に根付く夏祭り。見物するのもいいが、輪に加わって一緒に盛り上がれば一段と楽しめそう。全国の夏祭りの中から、一般客も参加できるお薦めの夏祭りを専門家に選んでもらった。


1位 阿波おどり(徳島市) 760ポイント
 「にわか連」に参加、手ほどきも 「踊るあほうに見るあほう……」のおはやしで知られる阿波おどりの本場。踊りのグループは「連」と呼ばれ、腕利きの有名連を始め、企業や学生も加わり街は阿波おどり一色になる。観光客が参加できる「にわか連」は市内2カ所で受け付けており、有名連からの手ほどきもある。法被は徳島市が有料で貸し出している。「にわか連に加わっての演舞場での踊りは最高」(加藤健司さん)、「踊りがシンプルですぐ踊れる」(杉岡幸徳さん)
 (1)8月12~15日(2)徳島市観光協会(088・622・4010)


青森観光コンベンション協会提供
2位 青森ねぶた祭り(青森市) 620ポイント
 レンタル衣装で「ハネト」に 武者人形の山車のもと「ラッセラー」の掛け声で跳ね回る「ハネト」が祭りを盛り上げる。花笠やたすきなど衣装一式があれば参加でき、地元の店で4000円程度でレンタル可能。予約がお薦め。「跳ねて踊って気分爽快」(芳賀日向さん)、「津軽の人たちのエネルギーを感じられる」(八幡和郎さん)
 (1)8月2~7日(2)青森ねぶた祭実行委員会事務局(017・723・7211)


越中八尾観光協会提供
3位 おわら風の盆(富山市) 530ポイント
 各町の輪踊りに参加 「風の盆」とは、立春から210日目の風の厄日に、台風などの被害に合わないよう豊作を祈る祭りのこと。哀切に満ちたおわら節にのせ、笠を深くかぶった踊り子たちが、小さな町を踊り流れていく様子が幻想的だ。各町の輪踊りには観光客も参加できる。当日の混雑状況によっては参加できないケースもあるが「福島と上新町は参加しやすい」(越中八尾観光協会)という。「哀愁漂う三味線や胡弓(こきゅう)の音色が踊りたい気持ちを誘う」(芳賀さん)、「夫婦で出かけるのがお薦め」(茂木栄さん)
 (1)9月1~3日(2)越中八尾観光協会(076・454・5138)


4位 郡上おどり(岐阜郡上市) 450ポイント
 地元の人と徹夜で盛り上がる 三十三夜にわたり場所を替えて繰り広げられる。地元の人との区別はなく誰でも輪に加われる。8月13~16日の「徹夜おどり」は連日朝まで踊り続け、街中が異様な熱気に包まれる。観光客でも踊りが上手な人には免許状が配られる。「踊りが比較的簡単で参加しやすい」(稲葉教之さん)
 (1)7月14日~9月8日(2)郡上八幡観光協会(0575・67・0002)


高知市観光協会提供
5位 よさこい祭り(高知市) 410ポイント
 当日講習で踊りに参加 日本中に広がった「よさこい祭り」の本家。「全国から集ったチームが行進する様子が迫力満点」(杉原由樹子さん)。一般客も当日講習を受けて市の「踊り子隊」に参加可能。基本無料で法被代が500円。高知市旅館ホテル協同組合(088・823・5941)の踊り子隊もあり、参加費は大人2500円。予約が望ましい。
 (1)8月9~12日(2)よさこい祭振興会(088・875・1178)


山形県花笠協議会提供
6位 山形花笠まつり(山形市) 330ポイント
 パレードの最後尾に飛び入り 華やかな山車を先頭に「ヤッショ、マカショ」の掛け声と花笠太鼓に合わせて練り歩く。パレードの最後尾には「飛び入りコーナー」のプラカードが掲げられ、誰でも参加できる。市役所前付近での輪踊りにも参加可能。
 (1)8月5~7日(2)山形県花笠協議会事務局(023・642・8753)


沖縄全島エイサーまつり実行委員会提供
6位 沖縄全島エイサーまつり(沖縄市) 330ポイント
 フィナーレで一体感 華やかな衣装と「エイサー」の掛け声が勇ましい。祭りの最後は見物客も一緒に手踊りで盛り上がる。「フィナーレの一体感は格別」(佐藤直城さん)。今年は受付を終えたが「1万人のエイサー踊り隊」など、各地に踊り歩ける祭りも。
 (1)9月7~9日(2)沖縄全島エイサーまつり実行委員会(098・937・3986)


8位 仙台七夕まつり(仙台市) 280ポイント
 中心街を彩る数千本のササ飾り。観光客も仙台市民広場で短冊に願いを書いたり、飾り作りを無料で体験できたりする。期間中は毎日午前10時~午後9時ごろまで。最終日は短冊がなくなり次第終了。
 (1)8月6~8日(2)仙台七夕まつり協賛会(022・265・8185)
=写真は同協賛会提供


9位 秋田竿燈まつり(秋田市) 270ポイント
 何百本もの光を灯した穂先が通りを埋め尽くす様は幻想的。差し手が50キログラムにもなる竿燈を肩や腰に移し替えていく姿は圧巻。一般客は小型の竿燈を操れるほか、写真撮影ができるコーナーがある。「竿燈はバランスを保つのが難しい」(小野寺辰浪さん)
 (1)8月3~6日(2)秋田竿燈まつり実行委員会事務局(018・866・2112)



盛岡さんさ踊り実行委員会提供
10位 盛岡さんさ踊り(盛岡市) 170ポイント
 鬼を三ツ石神社の神様が退治し、喜んだ人々が鬼の手形が押された石の周りを踊り回ったのが起源とされる。今年から一般客もパレードに加われる。メールや電話で申し込み、当日は踊りの講習を受けて参加。パレード終了後の輪踊りは飛び入りOK。
 (1)8月1~4日(2)盛岡さんさ踊り実行委員会(019・624・5880)


■東北訪れて復興を応援

 1位の阿波おどりをはじめ、ランキングでは地元の人たちと一緒に踊れる夏祭りが多く選ばれた。阿波おどりは当日の申し込みが可能で、踊りの手ほどきや法被の貸し出しもあり、観光客でも祭りに溶け込みやすい点が高く評価された。

 阿波おどりや5位のよさこい祭りは同様のイベントが全国に広がっており、自分の住む地域の近くで参加できる祭りを探してもよいだろう。

 地域で見ると、青森ねぶた祭りや山形花笠まつりなど、10位までのうち半数が東北地方の祭りだった。例年、観光客でにぎわうが、今年は東日本大震災からの復興を応援しようと出かける人も多そうだ。8位の仙台七夕まつりは今年、昨年を上回る210万人の人出が見込まれている。

 被災地の祭りでは岩手県陸前高田市の「うごく七夕まつり」(8月6、7日)に注目する声もあった。昨年は震災で開催が危ぶまれたが、地元の熱意と駆けつけたボランティアの協力で実施にこぎつけられた。華やかな七夕飾りの山車を引き回す夏祭りで「今年も山車を引く参加者を受け付けている」(祭りの実行委員会)。

 東京にも参加型の祭りは多い。江東区の富岡八幡宮の「深川八幡祭り」(8月11~15日)は水かけ祭りとも呼ばれ、観衆がみこしや担ぎ手に水をかけ、一体となって盛り上がる。

 東京スカイツリー開業で注目される墨田区では「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」(8月29、30日)がある。大阪が発祥の河内音頭を楽しめる祭りとして関東で古い歴史があり、飛び入り参加もOKだ。

■宿泊や交通 早めの手配を

 祭りに参加する際はルールを守って楽しみたい。飛び入りが許されている場合でも、場所や時間など制限があることも多く、主催者の指示に従うこと。踊りには準備運動をしてから加わり、体調が悪くなったら休憩する。日中の踊りではこまめな水分補給も心がけたい。いくら盛り上がっても、お酒を飲んでの激しい運動は控えよう。

 各地とも、祭りの時期は非常に混雑し、宿泊施設がいっぱいになることが多い。予約ができないときは近郊の宿泊施設を利用するなど、無理のない計画を立て、電車や飛行機のチケットも早めに予約しておきたい。祭りの情報の詳細は公式ホームページなどで確認できる。

  ◇  ◇  ◇  

 表の見方 数字は選者の評価を点数化 (1)祭りの期間(2)問い合わせ先と電話番号

 調査の方法 7月7日~9月に開かれる全国の夏祭りのうち、一般の観光客が参加できるイベントがある祭りで、地元の人と一緒に盛り上がれるお薦めの夏祭りを順位を付けて選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。

 飯田一夫(東京[無形文化]祭プロデューサー)▽稲葉教之(日本旅行グループ事業部マネージャー)▽小野寺辰浪(クラブツーリズム第2国内旅行センター)▽加藤健司(鶴岡八幡宮教学研究所所長)▽佐藤直城(近畿日本ツーリスト東北)▽杉岡幸徳(作家)▽杉原由樹子(阪急交通社広報)▽芳賀日向(祭り写真家)▽茂木栄(国学院大学教授)▽八幡和郎(徳島文理大学教授)



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