2012年9月1日土曜日

■【寄稿】李大統領の外交は果たして失敗したのか


【寄稿】李大統領の外交は果たして失敗したのか
http://japanese.joins.com/article/542/158542.html?servcode=100&sectcode=120
2012年08月30日16時31分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

  ※この寄稿は、中央日報8月27日付の文正仁(ムン・ジョンイン)延世大教授のコラム「李大統領の崩壊した外交」に対する反論として送られてきたものです。編集者

  最近の韓日間の葛藤の溝が深まり、李明博(イ・ミョンバク)政権の外交を懸念する声が聞こえる。 その中には心から韓国外交の将来を心配する思慮深い声もあるが、ほとんどが派党的で感情的な批判という傾向がある。 一部の人が主張するように、李明博政権の外交が「総体的に失敗」したかどうかを見るためには、過去5年間の李大統領の外交を戦略的な観点で眺め、次期政権の課題と連結して評価する必要がある。

  まず最初に、韓日関係が独島(ドクト、日本名・竹島)問題をめぐり葛藤を深めたとしても、韓日関係が破綻したわけではない。 李大統領が独島に行ったのは、韓日関係を東海(トンヘ、日本名・日本海)に水葬させるために行ったのではなく、独島問題を日本の帝国主義の遺産清算と関係がある歴史問題として認識したためだ。 最近の韓日軍事情報保護協定事態に見られたように、慰安婦問題など歴史問題に対する日本の心からの謝罪が前提にならない限り、韓日両国が未来志向的な関係に進むことには限界がある。 結局、李大統領は自ら独島に行くことで、歴史問題解決のための正しい方向を日本に提示しようとした。 「必要な葛藤」が「消極的な沈黙」よりもましだと考えたのだ。 とはいえ、李明博政府は北朝鮮および国際問題などにおいて、日本との協力を続けていこうという冷静さは維持している。

  2つ目、南北関係も回復不能状態になったわけではない。 国民の政府と参加政府で「太陽政策の温もり」を経験した北朝鮮は、李明博政府に入って「原則の苦味」を経験した。 以前の政府とは違い、李明博政府は非核化に対する誠意、そして武力挑発に対する謝罪なしには、大規模な支援を提供できないという点を明確にした。 ここで一つ興味深いのは、国際社会の対北朝鮮制裁で北朝鮮政権の配給体制がほとんど作動しなくなると、北朝鮮の住民が生存のために市場を作っているという点だ。 金正恩(キム・ジョンウン)体制は今後、市場の急速な拡散を防ぎながら、人民の食べ物を解決する方法を探さなければならなくなった。 韓国の次期政府は李明博政府のこうした成果を非核化および統一戦略に連結させる必要がある。

 3つ目、韓中関係が韓米関係レベルに達しなければ対中国政策は失敗、ということはできない。 李明博政府で韓米関係が韓半島レベルを越え、地域および世界的な問題において協力を強化する「戦略同盟」に発展したのは事実だ。 とはいえ、一部の人が主張するように、韓米両国が「価値同盟」を武器に、いわゆる非民主主義国家を民主化させるのに合意したのではない。 価値同盟とは、自由民主主義と市場経済という価値の共感帯で韓米同盟がより強固になったという「状態」を意味するのであり、他国に価値を積極的に拡大するという「政策」を意味するのではない。 李明博政府は韓日米が中国を封鎖するという印象を与えないために努力してきた。 むしろ韓中戦略対話や韓日中首脳会談に力を注ぐことで、韓米関係と韓中関係を調和させるために努力した。

  最後に、李明博外交の核心は韓国外交の外延を拡大する「グローバルコリア」にある。 世界のほとんどすべての国との貿易を通じて国富を増進させていく大韓民国が、外交で韓半島と北東アジアにとどまることはできない。 李明博政府はこうした「グローバルコリア」ビジョンに基づき、主要20カ国・地域(G20)首脳会議、釜山世界開発援助総会、核安全保障サミットなど記念碑的な国際行事を主催し、経済、開発協力、核安保に関する新たな国際秩序を構築する努力に主導的に参加している。 今後どんな政府になろうと、外交の功過は、韓半島と北東アジアを越え、大韓民国の国益と国格を世界的次元でどれほど高揚させたのかによって評価を受けるべきだろう。

  金聖翰(キム・ソンハン)外交通商部第2次官



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