2012年10月25日木曜日

■日本企業の「脱中国」、その理由と真意は=中国報道


日本企業の「脱中国」、その理由と真意は=中国報道
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1024&f=business_1024_066.shtml
2012/10/24(水) 10:56

 15日から19日にかけて行われた第112回中国輸出入商品交易会(広州交易会)に参加した日本企業は前年より29.4%減少した。ほぼ同じ時期、日本の「読売新聞」は、トヨタ自動車が年内いっぱい中国で減産を続ける方針を固め、生産台数を2割近く減らす計画だと報じた。さらに、コンビニチェーン・ファミリーマートによる中国での出店計画の延期、アパレルメーカー・ダイドーリミテッドによる中国での出店数の削減なども考慮すると、日本企業の「脱中国化」の動きは鮮明さが増しているように思われている。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。

 野田政権による釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)国有化以来、シャープの中国テレビ市場シェアは8.8%から4.7%に低下、ソニーは5.9%から4.4%、パナソニックは0.4%に低下した。東芝やサンヨーなどの日系ブランドのシェアも1%以下に落ち込んでいる。

 8月には日系自動車の中国国内における販売台数は2%減少し、9月の日産、トヨタ、ホンダの新車販売台数は前年同期比でそれぞれ48.9%、35.3%、40.5%の大幅減となった。操業停止により日系自動車メーカーは生産台数を1万4000台減らし、2億5000万ドルの損失を被ると分析されている。ロイター通信によると、釣魚島問題は悪化し続けるとの判断から、日系企業の約41%が中国から撤退し、業務をそのほかの国・地域に移転させることを検討している。

 しかし、釣魚島問題を日系企業が中国から撤退する唯一または決定的な要因とするのは偏見である。韓国と中国の家電企業における巨大な競争圧力および市場への影響の鈍さにより日系家電メーカーが競争面で劣勢に立たされるなか、2012年初め、パナソニックは中国での大規模リストラを決め、ソニーと日立もテレビ生産台数を減らす措置を取った。

 11年、シャープは創業以来、最大規模の赤字を計上し、ソニーは8年連続赤字、パナソニックも過去最大の赤字となり、日本の主要家電メーカーは戦略見直しの必要性から中国での業務を縮小せざるを得なくなった。同様に、中国での研究・開発ペースがゼネラル・モーターズやフォルクスワーゲンより遅い日系自動車もここ数年、欧州系と米国系の自動車にシェアを奪われ、生存をかけた思い切った措置という苦しい選択を迫られている。

 中国の要素費用の増加も日本企業の投資先変更に拍車をかけた。ボストンコンサルティンググループの報告によると、中国の人件費はその他アジアの7カ国を上回っており、ベトナムより15―30%、インドネシアより40%ほど高く、人件費がもっとも安いバングラデシュの5倍に達する。

 この影響により、2011年度の日本の東南アジア地域への直接投資額は1兆5000億円に達したが、中国への投資額は1兆円にとどまった。

 日本の12年7―8月の東南アジアへの投資は1800億円、中国への投資は1500億円だった。ホンダは270億円を投資してインドネシアに自動車工場を建設し、14年の稼動を予定している。トヨタは169億円を投じタイに生産施設を建設し、13年上半期に稼動する予定だ。また、百貨店大手の高島屋は、向こう5年で東南アジアに中国の2倍となる金額を投資する計画だ。

 そのほか、「非中国要素」も日本企業が中国から撤退し、他国に業務を移す動きを促した。計画では、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は15年末までに自由貿易協定(FTA)を締結する。

 締結後、中国がASEAN諸国から輸入する際の平均関税率は0.1%になる。日本企業に関して言えば、ベトナムのハノイ周辺で生産した製品を中国の広東省に輸送するという方法は、中国の北部や中部で生産し南部に直接輸送するより安くなるのだ。


 日本企業による短期的・部分的な「脱中国化」を「中国市場を完全にあきらめる行為」「中国ビジネスとの関係を断つ行為」と見るのは大きな間違いである。日本のある関係者の計算に基づけば、日中両国の経済融合率は29%に達している。この数字が30%を超えた場合、2つの経済圏を「1つの国」と見ることができる。

 資料によると、2011年の日中貿易額は3428億9000万ドルに達し、中国は日本最大の貿易相手国となり、日本の対中輸出は全体の20%に上った。現在約2万社の日本企業が中国に投資しており、投資残高は約5兆ドル、投資先は機械製造、自動車、ファインケミカル、商業・小売などの業種で、日本企業の海外市場からのおもな収益源ともなっている。さらに、専門家によると、日本企業は13.5億人の人口を有する消費市場に注目し、その対中投資額は年間約50億ドルのペースで増えている。

 日本企業は、中国市場が消費空間を拡大するだけでなく、広大な生産の場でもあることをよくわかっている。中国はトップレベルの物流と輸送のインフラを有するだけでなく、市場の成熟度と規則性も絶えず改善されており、多国籍企業の中国ハイエンド分野への投資増加に伴い、中国企業の技術改善面の意欲は大幅に高まると見られる。

 一方、東南アジア諸国には、政局不安定や労資問題などの高い政治リスクがある。「脱中国」を簡単に決めれば、日本企業は大きな機会損失を負担することになるだろう。

 実際、一部の日本企業が中国撤退という措置を採るなか、多くの企業が中国市場への投資や業務を拡大している。ホンダの最新の計画によると、同社は3年続けて中国市場に10車種以上の新モデルを投入する。三菱重工は中国市場を再開拓し、年内に100店舗を増設する計画だ。

 そのほか、衣料品販売最大手のユニクロは1年で100店舗を増設する計画を順調に進め、イオングループも天津、蘇州、広州での大型ショッピングモール開設に向けて準備を進めている。日本企業の新規投資の増加により、2012年1―9月の日本の対中投資は前年同期比16%増加した。こうして見ると、いわゆる日本企業の「脱中国化」は大げさな言い方に過ぎない。






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