武装勢力を「記念撮影」に唖然 ツアーガイドが語る
http://dot.asahi.com/world/w-general/2012111200008.html
(更新 2012/11/12 17:44) 週刊朝日 2012年11月23日号
猛吹雪となった中国・万里の長城で日本人観光客3人が死亡したが、ほかにも中高年の「秘境ツアー」で危険な目に遭うことは多々あるのだという。
秘境を中心に世界100カ国近くのツアー旅行に添乗してきたAさんは、十数年前、イエメンでのツアーで、日本では起こり得ない「恐怖体験」をした。
中高年の男女15人ほどで四輪駆動車に分乗。念のために政府軍兵士の乗った四駆1台も同行し、砂浜の中にあるマーリブという廃墟の町で、遺跡群を観光していたときのことだ。
「遺跡を眺め終えて車に戻ったとたん、空から何かが降り注いできたんです。『銃撃だ!』と、とっさに判断し、車内で身を伏せました」
のちに分かったことだが、イエメン国内で政府と敵対する部族が、政府軍に気づいて攻撃してきたのだった。万全の警備が、あだになった形だ。Aさんはさらに信じがたい光景を目にする。
「身を伏せるよう呼びかけて各車両を見渡すと、あろうことか窓から武装勢力にカメラを向けて、撮影しようとしているツアー客がいたんです」
命の危機が迫る中での、まさかの“記念撮影”。「平和ボケ」と言われても仕方がない。すきをついて逃げ切り全員無事だったが、「ホテルの窓からは、夜になっても政府軍の砲撃と思われる閃光が見えていた」(Aさん)という。
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