2012年11月7日水曜日

■【グローバルアイ】韓国は「失われた20年」に耐えられるのか


【グローバルアイ】韓国は「失われた20年」に耐えられるのか
http://japanese.joins.com/article/601/162601.html?servcode=100&sectcode=140
2012年11月06日09時05分 [ⓒ 中央日報]

  日本フジテレビの「ほこ×たて」という番組をよく見る。この番組を見ると、日本の中小企業の力を感じる。例えばこうだ。「どんな金属にも穴を開けられるドリル」というドリル会社と「絶対に穴の開かない金属」という金属会社が真剣勝負を繰り広げる。負けた方は数カ月後、改良された技術で挑戦状を投じる。小さいが強い企業のプライドがかかる。

  日本経済はよく「失われた20年」といわれる。20年間の年平均経済成長率は1.2%。低成長どころか、無成長に近い。さらにデフレと円高にさまよう。

  しかし逆に考えてみよう。こうした状況の日本経済がなぜ20年も崩れずに持ちこたえているのだろうか。中は膿んでも経済現場はまだ問題なく見えるということだ。答えは簡単だ。活力は失ったが、底力は生きているのだ。そしてそれを支えているのが中小企業だ。大企業が揺れても中小企業が後押しする構造だ。

  日本の中小企業の数は全体事業者数の99%。勤労者の数は80%、付加価値は53%を占める。創業100年を超える企業だけでも2万2000社余り。平均寿命が10年前後の韓国の中小企業とは次元が違う。

  堺市にある機械部品会社「太陽パーツ」。ここでは6カ月に一回ずつ2つの賞を用意する。「社長賞」と「大失敗賞」。賞金金額は2万円で全く同じだ。19年前に「大失敗賞」1号を受賞した山根課長は当時、新規プロジェクトを推進したが、5000万円の損失を会社にもたらした。1年分の売上高だったが、その失敗がもたらしたノウハウを通じて翌年から数倍の利益を生み出した。現在は役員だ。こうしたチャレンジ精神が蓄積された結果、会社は年間45億円の売上高を出す会社に成長した。

  群馬県の中里スプリング製作所。職員数は21人。しかし新幹線車両用など7000種類のスプリングを製造している。2カ月前、この会社は創業60年目で“全国制覇”を達成した。中里社長が紹介した秘訣は奇抜だった。社長は毎年、優れた実績を出した社員に特権を与えた。「気に入らない取引先1カ所を切れる」権利だ。その代わり社長が駆け回り、取引先10カ所を新しく切り拓かなければならない。それが30年間続いたルールだ。

  日本の中小企業の力はこのように成長した。政府が中小企業の重要性を認識し、企業も長い歳月にわたり人と力を育てた。

  大統領選挙を控えて韓国では各候補が「経済民主化」を叫んでいる。時代の使命という。しかし各種ポピュリズム的規制が民主化に化けては困る。最終的に目指すところは「経済再生」が正しい。韓国経済にも「日本式長期沈滞」という赤信号がついた状況ではないのか。

  今はもう全員が冷静に自問する時だ。私たちは「失われた20年」に耐えられる自信があるのか。大企業が揺れても支えられる中小企業は育てたのか。

  金玄基(キム・ヒョンギ)東京総局長



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