2012年12月10日月曜日

■日本ブームのロシア 仰天の日本式ダイエットとは


日本ブームのロシア 仰天の日本式ダイエットとは
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/607443/
2012/11/17 09:58

【日本人の知らない日本】

 モスクワで14日、今年で第46回目を迎える日本映画祭が始まった。オープニング作品は藤沢周平原作、北川景子主演の名作「花のあと」。会場は日本映画ファンで埋め尽くされ、上映終了後、中西健二監督が表現した日本の自然美と繊細な情景描写に、惜しみない拍手が送られた。来場者の20代の女性は、日本のファッション雑誌の表紙をスマホの待ち受け画面にしていることを見せ、「日本のものなら何でも好き」と語った。


◇着物、生け花、剣道…に精出すモスクワ女性

 数年来、日本ブームが続くロシアでは、日本関連イベントがあると、こうして多くの市民でにぎわいを見せる。日本映画には根強いファンがおり、10月には、代表格の北野武監督が、1899年に創刊されたロシア伝統の週刊誌「アガニョーク」の表紙を飾った。

 モスクワでは街を歩けば、スシバーにあたり、日本食はすでにお茶の間に浸透していて、「オベントウ」の宅配サービスもできた。日本車やカメラは相変わらず人気で、ユニクロの進出でファッション界でもメイド・イン・ジャパンが存在感を増している。

 着物や生け花だけでなく、剣道や合気道などの武道の習い事までにも、おしゃれなモスクワ女性が精を出し、ホンダはすでに自動車メーカーだけでなく、サッカーチーム、CSKAモスクワの本田圭佑選手のことも指すようになった。

 秋田県知事が、犬好きのプーチン大統領に秋田犬「ゆめ」を贈ったところ、秋田犬のブームが起き、あらゆるメディアが秋田犬特集を組むようになった。最近では、秋田犬買い付けツアーまでできているという。

 最近の調査で、ロシア人の54%が「日本は世界にいい影響を与えている」と答えている。老若男女を問わず、ほとんどの国民が1日のうち1度以上は日本文化や日本製品の何かに触れているようにも思える。日露関係は良くも悪くも「片思いの関係」とも言われる。


◇日本式ダイエット

 日本びいきはいつの間にか巷間(こうかん)で別の形に昇華して、日本人が想像もつかなかったような新たな現象を生み出す。今度は、日本人の長寿に目をつけたある生活習慣が人気となっている。

 それが、「日本式ダイエット」なるものだ。

 その方法とは、日本の伝統舞踊や武道を行って、カロリーを消費するとか、すしや天ぷらなどの日本食を摂り続けるとか、または、着物を着て姿勢正しくするとか、毎朝、座禅をくみ、呼吸を整えるなどと言ったものではない。

 2週間続ければ、3キロから8キロ痩せられるといわれ、実際に数々の成功例も報告されているこの生活習慣は、日本文化とはまったく関係がないのである。

 それは、食事制限のことで、新陳代謝を活性化させ、長期間にも及ぶ体重減量だけでなく健康促進にも効果があるという。ファッション誌「コスモポリタン」に特集が組まれ、日本式ダイエットが何なのかが報告されていた。

・塩分、砂糖、アルコール、パンを一切取らない

・野菜や果物中心の食事で、肉、魚、チーズなどもOK

・朝食は取ってはいけないが、昼食は一人前を食べてもいい。夕食は少量

・コーヒーや紅茶を多めに飲む

 特集記事には「個人差もあるが7~8キロ痩せることができるので、医者は年に2度以上行わないよう推奨している」とも記されている。


◇日本人=長寿で「日本式」が流行?

 太る原因となる炭水化物や油分を控え、バランスの良い食事を取るということなのかもしれないが、それでもなぜ、「日本式」という名称がついたのか。

 健康雑誌「シェイプ」編集者のクセーニア・ウリヤノブナさんは、このダイエット方法は口コミやインターネットで広がり、いつの間にか「日本式」が定着したと述べた上で、ロシア社会でも知られるようになった日本人の長寿と関係があると指摘する。

 「日本人は長生きであるがゆえ、最も健康的で、最も肥満の少ない国民であると思われている。『日本式』と名づけることで、人々の関心を呼び起こし、広まりやすかったという面もある。実際にマーケティング的なトリックでもあった」

 2000年代から始まったプーチン時代で、ロシア経済は高成長を続け、国民の可処分所得も底上げされ、人々は余暇や旅行などのためにも生活のお金をまわすようになった。

 ソ連崩壊後の90年代の混乱期、医療の質の悪さやアルコール禍などで男性の平均寿命は50代後半を推移していた。女性も太めの人が多かった。

 その状況は高成長とともに様変わりし、人々はお金を余分に出してまでも、健康に良い食事や体形維持により気を使うようになったのである。実際、モスクワの街を歩くと、太めの人が昔より、少なくなったように感じる。

 日本食や日本文化、そして日本製品を好んで手に入れるようになったロシア人がダイエットの分野でも結びつけたのが、高品質・高性能で信頼の置ける「日本」だったことは想像に難くない。

 ウリヤノブナさんはロシア版「日本ダイエット」は「即応的な結果が保証されている」と話す。

 数々のダイエット方法を試したものの効果がない方は、ぜひ、実践してみては?




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