2012年12月1日土曜日

■飛行機やホテルの利用法に見る男女の違い


飛行機やホテルの利用法に見る男女の違い
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_556100?mod=WSJFeatures
2012年 11月 29日  20:59 JST

 彼女は窓側の席が好みで、彼は通路側の席を好む。彼女は窓の日よけシェードを下ろしたがり、彼は上げていたい。彼女は荷物を空港で預けるが、彼は機内へ持ち込む。彼女は人に触れないよう身を縮めるが、彼は肘を張り、足を伸ばして座る。

 飛行機やホテルでの習慣や好みには性別による差異が現れ、このためにカップルや家族にとっては既に骨の折れる経験に、さらにストレスが加わることになる。

 男性は依然として、マイレージ会員数で女性を上回っている。USエアウェイズ LCC -0.85% やデルタ航空 DAL -0.50% といった航空数社は搭乗客の約54~56%は男性客だと指摘する。しかしその差は縮小している。米LCC(格安航空会社)のヴァージン・アメリカの場合は、昨年の調査で搭乗客の52%が男性で48%が女性だったという。ブリティッシュ・エアウェイズ UK:IAG -0.88% の広報担当者によると、同社は実際、男性客より女性客のほうが多いという。

 シアトルに本拠を置くアラスカ航空の広報担当者によると、同社のマイレージ会員は、少なくとも性別がわかっているなかでは男性と女性がほぼ半々だ。アメリカン航空のマイレージ会員は55%が男性だが、30歳未満では女性が男性を上回っているという。

 女性のビジネス客が増えるのに伴い、男女の違いがより目立ってきている。これは、航空会社のデータや乗務員およびマイレージ会員への取材、さらには利用客の質問や不満などの長年の処理でも明らかになっている。そしてこれらの違いは航空会社やホテルなどの注目をますます集めている。

 ヴァージン・アメリカのような娯楽システムを備えた航空会社によると、女性は映画を好み、男性はニュース番組の生放送やスポーツを好むという。また複数の航空会社によると、ブランケットは男性より女性のほうが使うことが多い。

 デルタ航空の委託で実施されたマイレージ会員の食事に対する好みを調べた調査結果によると、女性は男性よりシェフサラダやタパスのメニューを好むことがわかった。同航空は現在、メニューの変更を検討している。また、女性のほうが男性より空港のラウンジを利用するケースが多いため、デルタはラウンジの雑誌セクションに女性向けの家庭雑誌などを加えたという。デルタのマイレージ会員は男性が54%を占めている。

 ハイアットホテルでは男女の行動をみるための「実験」部屋を用意し、興味深い違いを発見した。例えば、女性はベッドで読書するのを好むが、男性は椅子に座って読書するのを好むことなどだ。このためハイアットはベッドサイドに電子書籍リーダーやタブレット(多機能携帯端末)のためのコンセントを付設したという。

 またハイアットは12月1日に世界中に展開するホテルのバスルームで使う製品を新しいブランドに変える。新しいブランドはすでに女性客に試みたものだ。例えば、米国のハイアット・リージェンシー・ホテルでは現在使われているポルティコに変えて、ケネットMDスキンケアの製品が使われる。ハイアットのブランドに関する部門でシニアバイスプレジデントを務めるサラ・カーニー氏は「バス用品をすべて持っていく必要がなくなれば、空港で預けていた荷物を機内持ち込みにできる」と話す。

 航空会社によると、一般的に女性は窓側の席を好み、男性は通路側の席を好むという。USエアウェイズの顧客データによると、好みの座席に座ったマイレージ会員のうち、男性は2対1の割合で窓際より通路側を好んでいたという。

 ただ、この好みの違いは飛行機がほとんど満席にならず、真ん中の席が空いている時代には問題はなかった。しかし、現在は座席が満席になると、この男女の違いがしばしば衝突することになる。

 また男性は、女性は荷物が多く空港で預けなければならないため、紛失や移動のペースが落ちるリスクがあるとよく不満をもらす。女性の多くは米運輸保安庁(TSA)が設けている液体の持ち込み禁止ルールが女性に不利だと不満を訴えている。女性たちは、化粧品類や洗面用具などは機内持ち込み可能サイズのバッグにはすべて収まりきらないことが多いため、荷物を預ける必要があると言う。

 よく航空機を利用する女性たちの最大の不満の1つは、女性は優先的に搭乗できるステータスやファーストクラスのチケットを持っていないと男性が推測することが多いことだという。取材をした数人の女性によると、その結果、女性の前に割り込んだり、われ先に搭乗しようと女性を押しのけていく男性までいるという。

 ひとたび航空機に乗り込むと、男女の違いがさらに大きなストレスとなる。ひじ掛けを巡る攻防だ。空港での取材では、女性は中央の座席にいても、男性のほうがひじ掛けを使いたがると指摘している。さらに、男性客は自分の足元のスペースをすべて占領すると女性客は不満をもらす。対抗手段はこれだ。何か物を落として、それを拾うためにかがむ。そうすれば、男性客は体を引かざるを得なくなる。

 ただ、乗務員のことで言えば、少なくとも一部の男性の意見では、女性客のほうが良い扱いを受けるという。ワインコンサルタントとして頻繁に航空機で移動するエグバート・サイモンズ氏は、ダイアンフォンファステンバーグなどデザイナーズブランドを身につけている恋人はトイレを利用するために常にエコノミークラスからファーストクラスへ行くことができると指摘する。

記者: Scott McCartney



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