2012年12月23日日曜日

■【時論】精神的に貧しい大韓民国


【時論】精神的に貧しい大韓民国
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2012年09月13日09時56分 [ⓒ 中央日報]

  韓国の2010年度の自殺率が世界1位、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の2.6倍という。1年に1万5566人が自ら命を絶つ。この5年間に他の国では自殺が減っているのに韓国だけ増えた。最近では口にすることさえいやな性犯罪事件のニュースが相次ぐ。

  社会が崩れている。人間性が喪失され、家庭が破壊されている。ところが為政者は経済指標にだけ埋没している。自殺事件が問題になるたびに政府とメディアは個人にその責任を転嫁する。いつもうつ病が、社会に対する理由のない怒りが問題という。そのうつ病と怒りの原因を提供した社会に対しては話さない。経済奇跡を成し遂げまもなく先進国に入るというのに国民はますます生きづらくなる。中産層はますます減り貧困層が増えている。

  ますます物質万能の風潮は増している。世界のどの国よりブランド品が高く売れている。政府、企業、学校、家庭の別なくみんなが「競争力」を口にする。競争で勝ってさらに多くを所有しようという声だ。ドラマと広告は瞬間ごとに黄金万能の風潮を助長する。しかし現実では貧富の格差はますます激しくなり、相対的剥奪感はますます大きくなっている。ますます勝者は少数に狭まっている。その競争で負けた敗者はお金以外の人生の価値と意味がわからないので残ったものは自殺だけだ。ついに7年連続で自殺率金メダルの国になった。

  英新経済財団(NEF)が3年ごとに国別の幸福指数を発表するが、毎回10位以内はコスタリカをはじめとする中南米の国が大部分を占める。貧しい国なので順位が高いのではない。アフリカの国はほとんどが下位だ。2012年に韓国は63位、米国は105位だ。韓国や米国でも人生の満足度が低いためだ。私の個人的経験と判断では中南米の人を幸せにする最も大きな要素は自足する人生の態度と円満な人間関係だ。彼らは概して先進国民に比べ深刻な競争に追いやられていない。隣人との関係がいわゆる先進社会より開放的で、家族間のきずながさらによく維持されている。キリスト教文化のおかげで物質的な欲求は相対的に減る。スペインの植民支配が残したアイロニーだ。

  幸福を研究した人々によると国民所得2万ドルを超えると所得の増加は幸福指数を高めるのにはほとんど寄与できないという。米国、日本、ドイツの事例から共通で表われた。古今東西すべての聖賢の言葉の通り、物質は人間の幸福を保障してくれない。

  世界金融危機以後に新自由主義の限界を共感し始めた。このまま行っては社会も崩壊し、環境も破壊される。幸せな人生どころか生存まで危険になるだけだ。無限競争を前面に掲げ、弱肉強食を当然視する「市場万能主義」社会で、なおさら生命尊重の風土が造成されるだろうか?

  いまや私たちは一流大学とお金にしがみつかない雰囲気を家庭と学校、報道機関と政府がともに作っていかなければならない時だ。

  国の競争力は決して画一化された競争からは出ない。人間の多様な価値を尊重し多様な能力が補償を受ける躍動的な風土から出る。第2、第3のキム・ギドク監督、朴泰桓(パク・テファン)選手、韓流スターがあふれる風土を作ることが先進国へ進む道だ。李泰植(イ・テシク)神父のように人のために自身を犠牲にする人がたくさん輩出される時、幸せな国になるのだ。

  少数だけが勝者になり多数は敗者になる社会を国民は望まない。「人間性を喪失した経済大国」が大韓民国の未来像になってはならない。私たちももう「競争」よりは「共生」を前面に出す時だ。いまや「セマウム(新しい心)運動」でもして精神的貧困から抜け出さなければならない時だ。




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