2013年1月22日火曜日

■空港赤字で地元政府「とにかく海外出張せよ」=中国・江蘇


空港赤字で地元政府「とにかく海外出張せよ」=中国・江蘇
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0121&f=national_0121_021.shtml
2013/01/21(月) 17:51
 
 中国・江蘇省では省内9カ所の空港のうち7カ所が赤字だ。そのため、空港地元の市政府が行政部門などに対して文書で「チャーター機による海外への出張・視察をせよ」と指示していることが分かった。中国新聞社などが報じた。

 2012年に楊州泰州空港が開港したことで、江蘇省では民間航空便用の空港9カ所が稼動することになった。建設ラッシュの熱気が過ぎ去り、残ったのは空港経営の厳しい現実だ。南京禄口空港と無錫碩放空港以外の7空港はすべて赤字で、地元は穴埋めのための負担にあえいでいる。

 常州奔牛空港は、年間の利用者受け入れ能力が延べ500万人だが、2012年の実際の利用者は延べ108万人だった。苦しい空港経営をもたらした最大の“戦犯”は各地方政府で、需給バランスを考えもせずに闇雲(やみくも)に空港建設に走ったからという。

 塩城南洋空港は2012年の利用者数がわずか31万人だった。同空港を起点とする主要路線は、台湾行き、韓国行きの2つだ。実際に同空港を発着しているのはほとんどがチャーター機で、塩城市の多くの政府機関や企業は「台湾や韓国に視察に行く際には、必ず塩城南洋空港を利用すること」との規則を定めているという。

 同市内に拠点を持つ民間大企業の幹部のひとりは、「2012年には台湾に2回視察に行ったが、実際には用があったわけではない」と述べた。地元政府が定期的に「出張旅行を組織」して塩城南洋空港を発着するチャーター便を使わせるためで、地元企業の幹部として空港利用に協力せざるをえなかったという。

 揚州市と泰州市の場合も同様で、両市政府は公務員に対して文書で「旅行に行く場合には飛行機で。まずは揚州泰州空港の発着便を選ぶように」と通達した。さらに江蘇省では民間旅客機の2割程度が、地元政府のチャーター便という。

 政府が市場原理を「超越」しても空港利用を促進するのは税金の無駄遣いであり、地元住民に負担を強いるものとの批判がある。また、空港の赤字を補填(ほてん)するのではなく、さらに費用負担が大きいチャーター便の運航などを行っているのは、空港の利用者が少ないと「政府の“面子(メンツ)”の問題になるから」との指摘もある。



0 件のコメント:

コメントを投稿