2013年1月21日月曜日

■乳児用粉ミルク 関税引き下げの恩恵なし 値上がり傾向に歯止めかからず


乳児用粉ミルク 関税引き下げの恩恵なし 値上がり傾向に歯止めかからず
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130121/mcb1301210504011-n1.htm
2013.1.21 05:00  

 今月1日、中国で一部乳児用調製粉乳(乳児用粉ミルク)の輸入関税が5%に引き下げられた。乳児を持つ母親たちの間には「輸入粉ミルクの価格が下がる」との期待感が広がったが、どうやら小売価格に変動はないようだ。

 理由の一つは、引き下げの対象がごく一部の製品に限られていたことにある。財政省が公布した「2013年関税実施法案」によると、関税が引き下げられたのは部分加水分解乳タンパク質や高度加水分解乳タンパク質、アミノ酸などが配合された特殊配合の乳児用粉ミルクのみ。

 ◆対象製品は一部

 これらの乳児用粉ミルクは主にアレルギー体質や特殊な疾病を持つ乳児や早産で生まれた未熟児を対象としており、市場シェアはごくわずかなのだ。

 とはいえ、対象となった特殊配合の乳児用粉ミルクも小売価格が引き下げられた様子はない。

 ある大型ベビー用品店を訪れると、どのブランドの特殊配合乳児用粉ミルクも価格は据え置きのまま。店員に確認したところ、特殊配合以外の商品も含めて輸入品の値下げはしていないという。

 スーパーでも販売員に問い合わせると「輸入粉ミルクの値引きはしておらず、値引きするという話も聞いていない」と同様の回答だった。

 乳児用粉ミルクの販売に携わる王さんによると、この2年、輸入粉ミルクの価格は右肩上がり。「市場シェアの少ない特殊配合の粉ミルクの輸入関税が下がったところで、輸入粉ミルク全体の価格が影響を受けることはない。それどころか、値上がり傾向に歯止めをかけることすらできない」という。

 一方、ある業界関係者は「関税そのものに粉ミルクの小売価格を変動させるだけの影響力はない」と指摘する。製品が輸入され小売店に並ぶまで、関税の他に様々なコストが発生するからだ。5%の関税は輸入時点では製品価格の5%を占めるが、末端価格に占める割合はおそらく0.5%にも満たない。

 ◆母親は高値でも購入

 したがって、輸入粉ミルクの小売価格を左右するのは、関税ではなく、市場の需要だ。

 品質の優れた輸入粉ミルクに対する需要は高い。しかも、その需要に供給量が追いつかず、そうした状況が小売価格を釣り上げているのだ。

 輸入関税の引き下げが末端価格に反映されない一番の理由はそこにある。高止まりする輸入乳児用粉ミルク。しかし、それでも母親たちは輸入品を追い求める。小売価格の引き下げは当面行われそうにない。

(燕趙晩報=中国新聞社)




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