2013年1月10日木曜日

■休学生の生活費まかなう親、老後準備ままならず


休学生の生活費まかなう親、老後準備ままならず
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/09/2013010901364.html?ent_rank_news
2013/01/09 13:51 朝鮮日報

 25年間大企業に勤めたイさん(54)は3年前に職場を早期退職した。当時、息子(26)は大学4年生、娘(24)は大学3年生で、優良企業に就職するために休学を考えていた。イさんは2人の子どもに対し、しばらくは収入がなくなるため、大学を卒業して就職するよう勧めた。

 ところが、2人の子どもは「大企業に就職するには、ひとまず休学して英語の点数を上げなければならない」と、これに反対した。子どもたちが休学している間、イさんは2人の子どもに毎月40万ウォン(約3万1000円)ずつ小遣いを与えた。退職したばかりで決まった収入がなかったため、子どもの小遣いやマンションの家賃、生活費をまかなうために積立貯金を解約した。知り合いに新しい事業を勧められたが、子どもが就職していないため、投資話にも耳を貸すことができなかった。イさんは「現在では100歳まで生きられるようになり、50代半ばといえば何か新しい仕事を見つけられる年齢だが、子どもの就職準備がままならず、老後の準備は後回しだ」と言って首をうなだれた。

 休学する学生が増えたことで、休学生の子どもを持つ親たちの経済的負担が増している。平均寿命は延びているものの、職場では定年まで働くことができず、老後に向けた準備もできないなど「早老社会」に差し掛かっているが、卒業を先送りする休学生はその費用のほとんどを親に頼っていることが分かった。

 本紙が全国の休学生1000人に「休学期間の費用の工面方法」について質問したところ、半数近く(44%)が「親から小遣いをもらっている」と回答した。休学期間にかかった食費、交通費、書籍代、学習塾の授業料などは月平均43万ウォン(約3万3000円)だった。全国の休学生を78万人(兵役のための休学を除く)として計算すると、年間4兆ウォン(約3100億円)以上となる。

 9年後に定年を迎える高校教師イさん(53)の長男(25)は、専攻分野の資格を取るため2学期目の休学に入った。また、次男(23)も大企業のインターンに向け来年から休学する予定だ。

 月300万-400万ウォン(約23万3000-31万1000円)を稼ぐイさんは、長男に仕送りとして毎月70万ウォン(約5万4000円)を送っている。今年休学予定の次男にも50万ウォン(約3万9000円)を仕送りする計画だ。イさんは「息子2人を卒業させるために借りた学資金は8000万ウォン(約620万円)にもなるが、休学して就職しないため、負担になる。就職したとしても果して親を扶養できるか心配」と話す。

 公務員試験に向け休学中のキムさん(26)=大学4年生=は「ほとんどが英語などの語学研修や資格試験を理由に休学するため、あらゆる費用をバイトでまかなうには限界がある」と話す。キムさんは毎月、下宿代と学習塾の授業料などで親から100万ウォン(約7万8000円)を受け取っている。休学後に英語のテストや資格試験に向け準備するユンさん(27)も「両親には“いつ卒業して金儲けするのか”と言われ申し訳ない思いになるが、苦労している両親を楽にしてあげるためにも、いい会社に入らなければならない。そのためには休学して自分に投資する必要がある」と説明する。

 現在大学生の子どもを持つベビーブーム世代(1955-1963年生まれ)は、子どもに対する仕送りなどで老後の準備がままならない。保健福祉部(省に相当)の調査によると、ベビーブーム世代のうち19%が経済的に余裕がなく、老後のための準備ができていない。これら世代が老後のために準備する額は月平均19万8000ウォン(約1万5400円)と、全世代の平均(21万ウォン=約1万6300円)に比べ低い。

 療養保護士のアルバイトで月80万ウォン(約6万2000円)を稼ぐキムさんも、休学中の息子のことが心配で老後の準備をしていない。キムさんの息子はバイトして資金を稼ぐため、昨年初めに1年間の休学を申請した。今後さらに休学期間を延ばして、語学研修のために海外留学する予定だという。キムさんは「息子の休学期間を短くし、早く就職させてあげたいが、現実はそうもいかない。一昔前までは大学にさえ送ってしまえば親としての役目が終わるものと思っていたが、息子が休学したことで卒業が先送りされた。ひとまず息子が就職するまでは、老後の計画は立てられない」と話し、ため息をついた。

 韓国職業能力開発院のチュ・フィジョン研究員は「平均寿命は延びたが、一昔前に比べ10年早く退職しなければならなくなったため、ベビーブーム世代は経済的に困難なケースが多い。さらに子どもが休学するため、子どもの世話を2、3年は余計にしなければならなくなった。今後は子どもだけではなく、親の世代までが経済的に苦しくなる恐れがある」と話した。




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