2013年2月18日月曜日

■衣食住すべて「毒だらけ」…学校制服に発癌性物質=中国


衣食住すべて「毒だらけ」…学校制服に発癌性物質=中国
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0218&f=national_0218_022.shtml
2013/02/18(月) 12:36

 料理を食べれば「下水油」に「有毒添加物」。リスクがある食べ物を排除したとしても、住んでいるだけで吸い込むことになる空気には有毒な汚染物質。そして今度は「衣」の問題だ。上海市当局が学童・生徒が使う学校の制服を調べたところ、発癌(がん)性の疑いがある製品が見つかった。中国新聞社が報じた。

 上海市当局が、学校に通う学童・生徒向けに生産されている制服22種を検査したところ、6種が不合格だった。うち、上海欧霞時公司が生産する冬季用制服には、分解すると発癌性の恐れがある物質をもたらす染料が使われていることが分かった。

 検査結果を受け、上海市浦東区政府は上海欧霞時公司製の制服を使っている小中学校21校の名称を公開した。同区によると、21校に対しては緊急措置として、生徒に制服を着用させないよう通達したという。

 上海市当局が2012年に行った学校制服の品質検査では、合格率が5割に達しないという、07年以来の「低水準」だった。同市では学校制服の生産について事業参画の資格が特になく、問題ある制服は採用開始後に実施している品質検査で分かるだけという。市側は、不合格だった制服のリストをインターネットで公開している。

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◆解説◆

 中国では1990年半ばごろから、急速な経済発展が始まった。「貧乏でどうしようもない」国からの脱却を目指し、大きな成果を挙げたことは事実だ。左翼的イデオロギーを過度に強調する政治家は淘汰(とうた)され、「努力と才能と運があれば、豊かになれる」との“チャイニーズ・ドリーム”が可能になる社会的土壌も形成された。多くの人が望んでいたものを提供したという意味で、政治は「よい仕事をした」と評価せねばならない。

 ただしその一方で、政治が解決・改善せねばならない「積み残し」も多かった。貧富の格差の解消、経済や生活と環境保護の両立、少数民族もほとんどの面で納得できる社会づくり、世界から信用される中国の実績づくりなどだ。社会に「勝ち組」と「負け組」がはっきりとしだしたことも影響し、「成功のため、もうけるためなら手段を選ばない」との風潮も極めて強くなった。衣食住すべての面で中国人をむしばむ「毒の問題」も、「社会のひずみがもたらした、国の宿痾(しゅくあ)」と考えざるをえない。

 2002年秋に発足した胡錦濤政権は、経済最優先のもとで生じたさまざまなひずみを深刻視し「調和ある社会」を目指そうとしたが、大きな成果が上がったとは言えない状態だ。

 また中国では1990年代に、ソ連崩壊とその後のロシアの混乱を反面教師として「経済改革を先行させねばならない。政治改革はその後の課題」という論調が強かった。しかし、世界第2位の経済規模になった現在も、本格的な政治改革はみられない状態だ。2000年ごろには一部地域で、首長に対する一般庶民の支持率調査が実施されて結果が公表されたが、現在は同様の試みをみることができない。



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