2013年2月7日木曜日

■大洗 今やアニメの聖地  茨城


大洗 今やアニメの聖地  茨城 
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20130206-OYT8T01466.htm
(2013年2月7日  読売新聞)

鹿島臨海鉄道大洗駅前の案内施設を改装し、キャラクターのイラストや声優のサイン入りポスターを展示した「ガルパン特設コーナー」は、平日もファンでにぎわう

 テレビアニメ「ガールズ&パンツァー」(通称・ガルパン)の舞台・大洗町が、作中に登場する場所を探訪するファンの「聖地巡礼」人気に沸いている。リピーターも増えているという町内を巡ってみた。

 大洗マリンタワーに大洗リゾートアウトレット、商店や旅館の町並み――。町を訪れたファンが、「主人公たちが戦車で走り回った世界が実在する。すごい」と昨秋インターネットで話題にし、人気に火がついた。昨年11月、町恒例のイベント「あんこう祭」には声優陣が来場し、町の人口の3倍を超える約6万人が、マリンタワー前に集まった。

 番組を作った「バンダイビジュアル」(東京都)の杉山潔プロデューサー(50)が県内在住で、「コンパクトな町に、大きな船、神社、電車など特徴的な景観がある」と舞台に設定した。戦車という非日常の乗り物を使う一方、町並みを再現して登場人物に現実味を出す狙いだった。

 近年、アニメによる地域おこしの試みは各地で盛んだが、必ずしも成功するとは限らない。地元産品直売所「大洗まいわい市場」社長の常盤良彦さん(42)を中心に、「まちおこしを前面に出さず、まず、アニメを応援しよう」と地元のボランティアがアニメ放映の約1年前から、制作チームの広報に協力してきた。

 大洗周辺を走る茨城交通バスを、キャラクターの絵でラッピングし、イラストをあしらったレンタサイクルやスタンプラリーの台紙を作るなど、地元の発案で観光客を楽しませる仕掛けを次々と考案した。

 アニメをきっかけに、地元住民も世代を超えて、ファンをもてなすために知恵を出し合った。レンタサイクルに乗った人や台紙を持って歩くファンには、「どこから来たの」と気さくに声をかける地元の人が増えた。ファンとの交流で、地元の良さを再発見できた。常盤さんは「自分たちが楽しみながら、ファンにも笑ってもらいたい」と語る。

 海水浴シーズンが書き入れ時だった大洗町だが、昨秋からは、商店街を日帰りや1泊で回る客が北海道や沖縄からも訪れるようになった。キャラクターがラベルに描かれた地酒「撃破率百二十%」(月の井酒造店)や干し芋を買ったり、郷土名物のみつだんごを食べ歩きしたりするのが、ファンの観光スタイルの主流になっている。

 酒屋の山本俊之さん(62)は「会話が弾んだ愛知県の男性から年賀状が送られてきた」と喜び、スタンプラリーの台紙に手書きの地図を描いた民宿勤務の飛田純平さん(24)は「台紙を持ち歩いている人を見かけるとうれしい」という。

 6回目の来訪というファンの横浜市、会社員小部山治成さん(38)は「大洗町の人のフレンドリーさは一番。来るたび新しい発見もある」と町の魅力を話した。



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