2013年2月8日金曜日

■【コラム】 中国は一世紀遅れの帝国主義国家か


【コラム】 中国は一世紀遅れの帝国主義国家か
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0206&f=column_0206_025.shtml
2013/02/06(水) 13:16

古典的な大国の政策が現存している中国

 1856年創刊で1943年にナチスによって発禁となったドイツの日刊紙の一つ「フランクフルター・ツァイトゥング」は、1949年に「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」の名で復刊し、発行部数は約37万部、全国で読まれている。

 同紙は2012年9月24日付社説で、尖閣諸島をめぐる中国の対応について、過去の欧米の帝国主義政策の経験を踏まえ、「古典的な大国の政策だ」と懸念を示した。

 一方、日本の対応については、総選挙前の難しい時期にもかかわらず、「努めて落ち着いたもの」と評価したうえで、中国に対しては、自身が過去に欧米の帝国主義で苦しんだにもかかわらず、「同じ手法を使っている」と批判し、自制しなければ「克服されたはずの時代に後戻りする」と強調している。

先進国では「帝国主義の時代」は終わっている

 歴史上、二度の世界大戦は領土的野望の衝突によって起きた。その際領土を拡張する手段は軍事力であった。当時のアジア・アフリカ諸国は欧米諸国に対抗できるほどの軍事力を持っておらず、軍事力で次々と征服されていった。

 軍事力で領土を制圧するという、弱肉強食の論理である。それが、帝国主義というものだった。しかし、二度の世界大戦で戦争の悲惨さを身にしみた欧米諸国は領土的野望がいかに馬鹿げたものかという経験と反省の上に立ち、武力による領土拡張野望を持たなくなったのである。今では、帝国主義の時代は終わったと世界の多くの人々は思っている。

一世紀遅れてきた中国の帝国主義

 ところが、いまの中国を見ていると、尖閣諸島だけではなく南沙諸島(スプラトリー諸島)、西沙諸島(パラセル諸島)の領有権を主張して、軍事力まで配置してしまっている。しかしこれらの諸島は東南アジア地域に位置しており、中国領土とはかなり離れている。他人のものを自分のものだと言い張って軍事力をもって自国領土を拡張しようとする中国の動きは、19世紀後半から20世紀にかけて、「帝国主義の時代」に欧米諸国が取っていた動きと同じである。このような中国の動きは「一世紀遅れてきた帝国主義」といえよう。

毛沢東語録――帝国主義と全ての反動派はハリコの虎である

 1967年、文化大革命の嵐が吹き荒れていた中国で、私が友好商社の一員として香港経由で初訪中した際に強制的に読まされたのが「毛沢東語録」である。

 「毛沢東語録」によると・・・

 「アメリカ帝国主義」はいたるところで横暴のかぎりをつくしており、自分自身を、全世界人民を敵とする地位におき、自分自身をますます孤立させている。
 
  アメリカ帝国主義の手中にある原子爆弾、水素爆弾は奴隷になりたくないすべての人をおどしあげることはできない。アメリカ侵略者に反対する全世界人民の怒りの波はくいとめられない。アメリカ帝国主義とその手先に反対する全世界人民のたたかいは、かならずいっそう偉大な勝利をおさめるであろう。

中国に対しては冷静な対応を堅持し続けることが肝要

 2013年1月15日(金)北京で公明党の山口那津男代表と中国習近平総書記が会談を行った。

 この席上で、総書記は「経済の力を集中させたい。そのためにも隣国との平和的で互恵的な関係を保っていく」と語っている。第2次大戦後、日中関係は何度か悪化したが、その都度持ち直してきている。楽観的な展望は慎むべきだが、この際尖閣諸島周辺での守りを固める一方で、中国の挑発に乗ったりすることなく、欧州紙が評価しているように、日本は冷静な対応を堅持し、米国及びアジア諸国や世界世論の支持を得て中国に対応することが肝要であろう。




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