2013年2月7日木曜日

■【コラム】 中国公務員の実体 本当はお金も時間もなく汚職どころではない


【コラム】 中国公務員の実体 本当はお金も時間もなく汚職どころではない
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0206&f=column_0206_012.shtml
2013/02/06(水) 11:16

 2012年の11月24日のエコノミストの記事に中国の公務員の応募が急増した記事があった。今までは大学生は政府の役人ではなく、一般企業への就職が圧倒的に多かったが、この10年間で、その逆転現象が起きている。昨年は140万人が公務員試験を受けたが、応募人数は10年前の20倍だ。しかもこのうち、合格者は20,800人だそうだ。

 10年前は大学の卒業生が150万人だったが、昨年は700万人いる。公務員への志望は壊れない毛沢東主義の国家の雇用の「鉄飯碗」の近代版だと言える。ただこの試験は昔からの帝政時代の科挙試験の歴史を引き継いでいて、合格する事は相当難関だ。しかし、彼等が昇進の階段を上り詰めれば、汚職や腐敗に象徴されるような大金持ちになれる可能性がある。運がよければフェラーリや愛人も入手出来る。

 しかし現場の新入社員は楽ではないようだ。北京の南西の陜西省の省都で官僚を例にとれば、希望を持って入って来ても、給与は2800元で、その半分は家賃に消えてしまい、しかも残業が多く、私生活は殆どない。だから、ガールフレンドも出来ない。勤務時間は朝8時から深夜まで続き、様々な報告書を書かなければならない。最近の官僚は汚職をするという事で一般市民は彼等を見ているが、実体はそうではないようだ。

 彼等のリーダー達も自転車通勤で、彼以上に長時間の残業をしている。彼の役所に入っている麺を商売にしている人は彼に麺を売った方が実入りが多いと言った。彼は難しい試験を通ったという自負と昇進するかもしれないという希望があるからその申し出を断っている。しかし、その昇進のチャンスは極めて少ないようだ。

 中国では役人は690万人いるが、新入社員は90万人いる。多くの昇進は人的なコネ、贈答、そして官職の公然とした販売に基づいて行われる。功績で昇進を競う時でさえ、幾人かの役人は彼等の履歴書に偽の卒業の学位を水増しする。そうしたことをあらかじめ知っていたら、彼等は役人にはならなかっただろう。

 日本の経済産業省でもかっては天下りと称して、役員と同数の退職者の再就職先を管理していた。そうしなければ、彼等の現役時代の給与を補填出来なかったからだ。中国に於いても昇進しなければ豊かな生活が出来ないようだ。

 それでも、昨今の高級幹部の蓄財の報道の性かもしれないが、数多くの学生が公務員に志願して来ているようだ。ただ、昇進出来るのはごくわずかだから、彼等の不満は鬱積してくだろう。今年は汚職撲滅の運動に政府は一生懸命だが、官僚の数十年のひずみは今年は山場を迎える事だろう。



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