2013年3月2日土曜日

■【仏国ブログ】花見の本から、日本の「もののあはれ」を感じる


【仏国ブログ】花見の本から、日本の「もののあはれ」を感じる
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0302&f=national_0302_014.shtml
2013/03/02(土) 09:52

 フランス人が、自身のブログ「Lire le Japon」で、フランス人による日本の花見に関する本を紹介した。

 筆者はパリの小さな書店で、フランス人が日本の花見についてまとめた写真集を買ったという。そこには、東京での花見の様子や、日本人の日常の生活が生き生きと写し出されていた。

 本の中には、花見とは何か、その期間はどれくらい続くのかということについて、日本地図と共に桜が開花する平均の時期が説明されていた。また、東京の川沿いや公園、道などにある花見の人気スポットが10カ所挙げられていた。その日本地図は、フランス人著書による手書きのイラストで紹介されており、ぬくもりが感じられた。

 それぞれの桜の名所のイラストはとても美しく描かれており、ピンク色の桜の木や、人々がそこで散歩を楽しんでいたりするものだった。また、名所へのアクセス手段や桜の木の本数、公園の開館時間や入場料金について、細かな情報がのせられている心配りに筆者は感心し、この本は美しいだけでなく、実用的な内容だと述べた。

 写真は、バリエーションに富んだものが数多く掲載されていた。そこには、桜の花で一面ピンク色にそまった風景だけにとどまらず、食べ物を食べる人、携帯電話で写真を撮る人、若い女性や小学生、ベンチやボートのカップル、犬や猫や鳥など、日本人の日常生活を垣間みることができる写真があった。これらの写真から、花見が日本人の生活とどのように密接に結びついているかを捉えようとした、著者の思いが伝わったようだ。
  
 なかでも筆者は、桜の花びらで覆いつくされた池の水と、その真ん中をつっきるように進むボートの光景を写した写真にひかれたようで、日本の四季折々の自然に存在するような、「静と動」の概念を捉えた様子を評価したようだ。

 一方、筆者はこの写真集を通じて、お茶を主題とした日本人作家による本の一文を思い出したという。それは、「ある種の花は、死の中でその栄光を見つけるものだ」という内容で始まり、「花は短い時間しか咲かず、ひらひらとおどるように水の上へ散ってゆく」というものだった。

 筆者は、日本の翻訳本を読むのが好きなようで、フランスの美のあり方とはまた異なった日本独特の奥ゆかしさである「もののあはれ」を感じる情景や記述を美しいと感じる審美眼をそなえていることが分かる。

 日本の作家による翻訳本や、フランス人による日本の本などに触れるフランス人も多く、日本文化への理解は、我々の想像を超えて深まっているようだ。



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