2013年3月5日火曜日

■電話やメール着信を通知する腕時計「ペブル」 音楽再生操作も可能


電話やメール着信を通知する腕時計「ペブル」 音楽再生操作も可能
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2013年 2月 28日 16:44 JST
By WALTER S. MOSSBERG

 携帯電話が鳴ったり振動したりした後、重要な電話やテキストメッセージ、電子メールかどうかを確認するため、必死にポケットやバッグを探ったことは誰にでもあるのではないだろうか。それが腕時計で一目で確認できるとしたらどうだろう。

 新開発の150ドルのデジタル腕時計「Pebble(ペブル)」があれば、それが可能だ。ペブルは米アップルのスマートフォン「アイフォーン」や米グ―グルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載の携帯電話と無線で接続し、電話やテキストメッセージ、メールの着信通知を表示盤で確認し、中身を閲覧できる腕時計だ。

 それだけではない。電話での音楽再生の操作や再生中の楽曲のタイトルやアーティスト名、アルバム情報の表示も可能だ。もちろん時間も確認できる。表示盤のデザインは複数用意されており、アップロードしてさらに増やすことも可能だ。

 ペブルは同名のシリコンバレーの新興企業が開発した製品で、さらにすごいのがスマホのその他のアプリや機能と連動できることだ。例えば、マラソンやゴルフ愛好家向けのアプリからの情報を表示できる機能が春までに開発される予定だ。また、ちょっとややこしい裏技を使えば既にその他のスマホとも連動可能だ。

 ペブルはテクノロジー業界では大きな話題を呼んでおり、同社創業者はクラウドファンディング(インターネット上で不特定多数の人々から資金調達すること)サービス会社キックスターターを介して数百万ドルを調達している。

 ただし、1つ注意してほしいのが、ペブルは腕時計型のコミュニケーションツールではないということだ。つまり、通話もできなければ、テキストメッセージやメールの作成もできない。やさしく振動して着信を通知し、メッセージの送信者や電話をかけてきた相手の名前とテキストメッセージやメールの一部を表示する だけだ。

 筆者はアイフォーン5とグーグルの「ネクサス4」を使用して5日間ペブルを試してみた。ペブルは軽くて着け心地がよく、腕にコンピューターを装着している人がいるという風に誰からもじろじろ見られることもなかった。どちらのスマホでも着信通知を受け、音楽再生を操作できた。筆者はおおむねペブルは有用だと感じた。ペブルを両スマホと接続するための無料の付属アプリも良好に機能した。

 ただし、うっとうしいバグや機能的な制約、問題も多々あった。それらについてはペブルもすぐに認め、解決に取り組んでいる最中だと述べた。

 一例を挙げると、複数のメールを連続して着信した場合、通知は読む間もなく次々に新しい通知に上書きされてしまい、しかもスクロールして前に戻り見逃した通知を見ることもできない。ペブルによると、来月のソフトウエアのアップデートで通知をスクロールバックできる機能を導入する見通しだという。

 筆者のように新製品につきまとうそうした不具合に耐えられない人は、購入をもう少し待った方がいいかもしれない。いずれにしろ今すぐ注文しようとしても、納品まで約2カ月待たなければならない。ペブルは徐々に生産能力を増強しているが、同社によると、受注した8万5000個のうち約1万5000個しか出荷できていないという。注文はgetpebble.comから可能だ。


 ペブルをはじめ腕時計型コンピューターというコンセプトに最近再び注目が集まっている。過去にもそうした製品は何度が開発されたが、失敗に終わっている。見た目が不格好で、使いづらかったためだ。だが、ベーシス(Basis)という会社が裏にセンサーの付いたフィットネス用腕時計を出荷し始めているほか、報道によると、アップルもアイフォーンと連動する腕時計を試験開発中だ。

 ペブルは全部で5色用意されており、標準の腕時計よりもわずかに大きい。ただし、通常女性よりも太い男性の手首には確実にしっくりくる。女性にとっては、ファッション性や着け心地にやや不満があるかもしれない。

 表示盤の技術は米アマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「キンドル」の標準版と同様だ。つまり、白黒で非常に基本的なグラフィックしか表示できないが、外でも見やすい。通知が表示されたときや、振ったり、軽くたたいたりするとバックライトが点灯する。

 両側に大きくて押しやすいボタンが4つ付いている。右側の1番上と1番下のボタンは表示を上下にスクロールするためのもので、真ん中のボタンは選択するためのものだ。左側のボタンはメニューを表示させ、メニューの中を移動するために使用する。充電器接続用の端子も左側にある。

 バッテリーは通常の使用環境であれば1回の充電で7日間もつとペブルは主張しているが、筆者のテストでは3-4日だった。もっと通常に近い使用環境であれば、4-5日はもつ可能性がある。

 ペブルは、無線ヘッドフォンやスピーカーのように、近距離無線通信規格「Bluetooth(ブルートゥース)」を介してスマホと接続する。実際、アイ フォーンでは、ペブルにはオーディオ機能がないにもかかわらず、ブルートゥース対応のオーディオ装置を模倣した動きをした。

 これがときどきアイフォーンの自動音声認識システム「Siri(シリ)」を混乱させることになり、ペブルではなく、電話を使用するためには、シリに指示を送っているアイフォーンのアイコンを押さなければならなかった。ただし、筆者の自動車に搭載されているブルートゥース用のスピーカーフォンを混乱させることはなく、それを妨げることもなかった。

 これは両スマホで経験した一連の不具合や問題のうちの1つにすぎない。アイフォーンもアンドロイドフォンもペブルのような機器への対応はあまりできていない。

 例えば、アンドロイドフォンの場合、障害者向けの支援装置のような補助機器としてペブルを設定する必要がある。また、ペブルを使って着信電話に応じるよう、電話やイヤホンに指示を送ることはできない。できるのは受信を拒否することだけだ。アンドロイドフォンに関する制約はもう1つある。ペブルでメールの一部を閲覧できるのは、それがグーグルのメールアプリ「Gmail(ジーメール)」から送信されている場合だけだ。それ以外のアプリから送信されたメールは、着信通知だけで内容の一部は閲覧できない。

 一方、ペブルでアイフォーンのメール着信通知を受け取れるようにするには、アイフォーンの通知設定機能でかなりいろいろと操作する必要がある。筆者のテストでは、アイフォーンのメール着信通知は機能するときとしないときがあった。ペブルは最優先事項としてこの問題の是正に努めていると話している。

 また、現在のところ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」の通知は、アイフォーンでは機能せず、アンドロイドフォンでしか使用できない。簡易ブログサービス「ツイッター」の通知はどちらのスマホでも機能しない。

 いずれのスマホに関しても、筆者がペブルにぜひ付けてほしいと思ったのが、ボタン1つで、「ただ今応じることができません」といった定型メッセージをテキストやメールで返信できる機能だ。ペブルによると、この機能も現在開発中だという。

 150ドル出せる余裕が懐にあり、着信した電話やメールに応じる必要があるかどうかを確認するために、スマホをポケットやバッグからわざわざ探り出すのがいやな人や、そうすることに難がある人にとっては、ペブルは便利なスマホの付属機器の1つになるだろう。だが、よりスムーズに機能するまで待つことを筆者はお勧めする。




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