2013年3月24日日曜日

■太陽光発電:中国政府が支援放棄か、韓国には好材料


太陽光発電:中国政府が支援放棄か、韓国には好材料
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/22/2013032200848.html?ent_rank_news
2013/03/22 11:03

世界最大手「サンテックパワー」不渡りで業界に波紋

 太陽光発電システムの世界最大手、中国のサンテックパワーが借金を返済できず債務不履行を宣言したことで、業界では大きな波紋を呼んでいる。

 ブルームバーグなど外信は19日(現地時間)、サンテックが今月15日に満期となる5億4100万ドル(約516億円)規模の負債を返済できず、債務不履行に陥ったと報じた。同日現在、サンテックの米国ナスダックの株価は59セント(約56円)と1ドル(約95円)を割り込んでいる。全盛期を迎えた2007年には80ドル(約7600円)を付けていたことを思うと、今では紙くず同然だ。

 サンテックは、オーストラリアへの留学経験を持つ施正栄会長が2001年、故郷の中国江蘇省無錫に設立した太陽電池モジュール生産メーカーだ。中国名は「尚徳」。2005年に米国ナスダックに上場し、中国による太陽光市場の世界制覇を象徴していた。

 不渡りの原因は、世界的な供給過剰と価格暴落による累積赤字だ。サンテックは昨年、実績発表もできないほど会社の経営状態が悪化した。一昨年には6億3300万ドル(約604億円)の営業赤字を出した。負債規模は22億ドル(約2100億円)に上る。

■中国政府がサンテックを放棄

 全世界が不思議に思うのは、中国政府がサンテックの債務不履行をそのままにしたという点だ。これまで中国政府は、自国企業に対しては果敢に投資を行い設備を増設できるよう、金融支援を行ってきた。

 そのおかげで、太陽光発電メーカーのリストラは供給過剰の根源地である中国だけでなく、欧州や米国、韓国でも進んだ。ドイツのキューセル(ハンファが買収)とソロン、米国のソリンドラとエバーグリーンソーラーなど太陽電池関連の大手メーカーが破産へと追い込まれたのが代表的だ。太陽光を次世代の成長産業として育成すると宣言したサムスンやLG、現代重工業、KCCなど韓国の大手メーカーも、一斉に投資を保留するか縮小した。

 太陽光産業協会のキム・サンヨル会長は「中国政府が太陽光産業で世界トップを狙うという野心を抱いて支援してきたものの、これ以上の投資は無理と判断したようだ」と説明する。一言で言って「底の抜けたかめに水を注ぐようなもの」というわけだ。サンテックと共に世界の太陽光市場をリードする中国のトリナソーラーやインリも、昨年それぞれ2億3000万ドル(約220億円)、4億ドル(約380億円)の営業赤字を計上し、中国政府の負担となっている。

 問題は、今後中国政府がサンテックに対しどのような措置を下すのかということだ。万が一、地方政府がそのまま買収し、現在の生産能力を維持する場合、業界の宿願である供給過剰の解消は困難となる。

 業界では、今回のことをきっかけに、習近平・国家主席体制以後、太陽光産業に対する行き過ぎた支援を中断する方向性が示された、と受け止めている。これには、もちろん慎重論もある。業界関係者は「中国の中央政府が大型太陽光発電メーカーを統合する計画を持ち合わせてはいるが、地方政府がこれに従うかどうかは今後も見守っていく必要性がある」と話す。

■韓国は中長期的に見てチャンス

 韓国もサンテックの債務不履行の影響圏内にある。韓国にとってサンテックは、ポリシリコン(太陽電池の原材料)を購入してくれる「お得意様」だった。OCIは、2016年までサンテックと6億3100万ドル(約600億円)に上るポリシリコンの供給契約を結んでいた。最悪の場合、一部の契約破棄も念頭に置かなければならない。

 しかし、ほとんどの専門家は中長期的には好材料との見方を示している。現在全世界の太陽電池の生産量は、需要に対して50%以上も多い。こうした状況で世界の生産量の半数以上を占める中国で、どのような法にせよ構造調整が行われる場合、供給過剰の解消が前倒しされる可能性が高い。そうなれば、サンテックの競合他社であるハンファグループ系のハンファ・ソーラーワン、キューセルなどはシェアを伸ばすことができる。

 市場調査機関SNSリサーチのキム・グァンジュ代表は「中国の太陽光発電を代表する大手メーカーの没落は、逆に韓国メーカーの立場から見れば好材料だ。最近、日本などで太陽光発電モジュールの注文量が増えている中で、韓国のメーカーが主導権を握るべきだ」と主張した。



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