2013年4月11日木曜日

■第2次朝鮮戦争は起きるか


第2次朝鮮戦争は起きるか
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2013年 4月 09日 11:26 JST
By JASPER KIM

 北朝鮮が果たして第2次朝鮮戦争の引き金を引く可能性はあるのか。

 大方のアナリストは、そうした破滅のシナリオが現実のものとなる可能性はほとんどないとみている。その主な理由は、北朝鮮の現体制は自滅を求めていないからだ。軍事行動を取れば滅亡するのはほぼ間違いない。

 だが、朝鮮半島情勢が外部が合理的とみる道から外れてしまうことはないだろうか。まず、北朝鮮の未熟な最高司令官は30歳前後とみられることを思い起こそう。北朝鮮の軍指導部は金正恩第1書記の2世代年上で、ほとんど軍隊の経験のない金氏がこれら軍指導者に命令を出している。米国では、こうしたことは起こらない。憲法で大統領選の被選挙権は35歳以上と規定されているからだ。

 しかし北朝鮮では、取り扱いが難しくおそらく危険な力関係の変化が生じている。というのも、朝鮮半島では年長者を敬う儒教的な文化が浸透しており、命令を下すのは年長者で、それを受けるのは年少者という伝統があるからだ。

 金氏は少年時代に数年間スイスに留学した経験があり、若いためスターリン主義国家を変革し、対立を引き起こさないようにするのではないかとの期待があった。


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 しかし、現実はそれとは正反対になりそうだ。金氏は若い頃を閉鎖社会の外で過ごしたことから、まったく逆の超タカ派の瀬戸際政策を過度に行わざるを得なくなっているようだ。外部から見れば、そうした行動は予測不可能で非合理的だ。だが、北朝鮮内部では、なくてはならない忠誠心や愛国主義でポイントを挙げられることになる。

 次に指摘しなければならないのは、韓国と北朝鮮は非武装中立地帯をはさんで、日常的に軍事力を誇示し合っていることだ。緊張状態の中で恐怖にさいなまされながら中立地帯で任務に就いている両軍兵士は、小規模な作戦や誤射などの事故でさえ、挑発行動と受け止める可能性が高くなる。そうなれば、応戦せざるを得なくなり、より大規模な対立に発展する恐れがある。

 こうした変数を考えると、極めて低い確率だが大混乱が発生する「黒い白鳥」(金融用語では「テイル・リスク」)は存在する。

 とすると、黒い白鳥が隠れている可能性に備えるのは当然なのか。それとも、中立地帯で両国のすべての兵士を含め、関係者は全員ずっと平常心を保ち、合理的に行動すると信じるべきなのか。

 1発の銃弾が第1次大戦を引き起こしたことに思いを馳せれば、黒い白鳥が次の朝鮮戦争の引き金を引く恐れはある。




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