2013年4月15日月曜日

■【中国ブログ】わが国の国民意識、北朝鮮問題で「錯乱」


【中国ブログ】わが国の国民意識、北朝鮮問題で「錯乱」
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0415&f=national_0415_064.shtml
2013/04/15(月) 17:26

 雑誌編集者やコラムニストとして活躍しているという張界さんは11日、「中国の国民意識は朝鮮(北朝鮮)問題で錯乱している」と題するブログを発表した。北朝鮮を侮辱することに多くの中国人が快感を覚えていることは「愚か者の快感」と主張した。ただし、張界さんの主張そのものが、実際には北朝鮮を批判する「大いなる皮肉」であるようだ。

 まず、中国人は現在でも、伝統的な信仰を持つ人が多いと指摘。「玉皇大帝」、「太上老君」など崇拝の対象は多い。しかし、北朝鮮人民が「金正恩(キム・ジョンウン)を信仰すると、中国人は笑う。この態度は病気では」と論じた。さらに、北朝鮮については、西側諸国も尊重する信仰の自由を認めないのかと記した。

 また、北朝鮮を「封建専制社会」と主張する中国人がいることについて、ブラジル政府はアマゾン川周囲の密林に住む先住民の生活を保護していると指摘。「原始社会制度でも帝國主義でも、どのような社会制度であっても、外部の人間が差別視する権利はない」と論じた。

 さらに、「北朝鮮は中国に面倒をもたらしている」との主張に対しては、「北朝鮮が親米国家になったら」と問題提起。その方が、中国に対して大きな面倒をもたらすと主張した。ただし、北朝鮮の人民の生活は「現在よりはるかに良くなる」とも指摘した。

 最後に「北朝鮮は中国のおかげで飯を食べられる」との主張に対しても「錯乱している」と反論。「食べ物が重要なのか? 主義主張の原則が大切なのか?」、「精神生活と物質生活のどちらが大切なのか」と問いかけ、「朝鮮ははっきり分かっている。中国人には分っていない」と主張。宗教における修行者の例を挙げ、苦行による悦楽を、中国人は理解していないと論じた。

 文章は最後の部分で、中国人男性は恋人に軽々しく「君のためなら、刀の山も登るし、火の海にも潜る」と言うと論じた上で、「朝鮮人民が自らの指導者に同じように言うと、中国人はあざ笑う」と指摘。「さて、どちらが愚かなんだろう」と締めくくった。

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 同文章の最初の部分を読むと、北朝鮮を支持し、北朝鮮を「異常な国」と考える中国人が増えていることを批判しているようにみえる。しかし、読み進むと、どうも様子がおかしい。

 例えば、北朝鮮国民が、国家指導者を「宗教的に崇拝している」との指摘だ。中国で比較できるとすれば、毛沢東主席だろう。多くの中国人は現在も、毛沢東主席を「新中国を築いた偉人」と考えている。しかし、文化大革命期などにピークになった個人崇拝は「異常だった」と認識している。

 北朝鮮の指導者が「個人崇拝」の対象になっていることは、中国人にとって違和感がある。同国を好意的にみる人も「やむをえない国情かもしれない」といった認識で、積極的に支持しているわけではない。

 さらに、毛沢東主席長男の毛岸英が朝鮮戦争で戦死したことは、中国人にとって美談として語り継がれている。「わが子といえども、差別なく最前線に送り出した」ということだ。逆に、北朝鮮が3代にわたって親から子へと権力を譲ったことは、中国人にとって「社会主義国にあるまじき、権力の私物化」だ。

 上記ブログでひとつだけ「北朝鮮を非難できるのか」との書き方に現実味があるのは、「北朝鮮が親米国家になったら」の場合だろう。当然、西側主動の朝鮮半島統一のシナリオだ。その場合には、在韓米軍が中朝国境まで進出してくると考えねばならない。

 中国が北朝鮮を支援しつづけてきたのは、「北朝鮮が消滅した際の軍事・政治のシナリオは、中国にとって受け入れられない」ことが最大の理由と考えてよい。逆に北朝鮮は「中国にとって自分たちは絶対に必要な国・政権」と見越して振舞っていると言うことができる。

 なお、北朝鮮人が「精神生活を重視している」と論じた部分は、“返す刀”で中国人の「物質主義、拝金主義」を批判しているとも読める。



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