2011年11月16日水曜日

■クール・ジャパンで20社出展:アニメイベント、お家芸復権へ


クール・ジャパンで20社出展:アニメイベント、お家芸復権へ
http://news.nna.jp/free/news/20111114spd002A.html
シンガポール  2011年11月14日(月曜日)

域内最大規模のアニメーションイベント「アニメフェスティバル・アジア(AFA)2011」が11~13日にシンガポールで開催された。4回目となる今年は、経済産業省が推進する日本の文化産業の海外進出促進プロジェクト「クール・ジャパン戦略」の一環で、企業20社が出展する「クール・ジャパン・パビリオン」を設置。現地企業との商談、露出機会の拡大を促進し、日本のお家芸でイメージの底上げを目指した。

AFAは電通と地場マーケティング会社SOZOが共催した。会場はサンテック国際会議&展示センター。電通は9月に経産省からクール・ジャパン戦略推進事業(海外展開支援プロジェクト)でシンガポール事業を受託。豊田通商、SOZOと協力して日系・現地企業のビジネスマッチングを支援し、東南アジアで日本コンテンツの露出拡大、地位向上を図っている。同パビリオンの開設はこの受託事業の一環。アニメ、キャラクター、マンガ部門、音楽部門からそれぞれ10コンテンツずつを公募で選び、商談ブースで現地企業とのビジネスマッチングを支援するのが狙い。

電通シンガポールのリージョナル・グループ・アカウント・ディレクター、宮野治彦氏はNNAに対し「パビリオンの出展者は、『アジアで受け入れられやすいか』『将来的にビジネスとして発展させることができるか』『海外展開を本気で考えている』といった要素のほか、(シンガポール事業の受託に合わせて)創設した現地のローカル、日系企業からなるコンソーシアム・メンバーや有識者の意見などを基に選出した」と説明。域内では若者世代の日本に対するイメージが相対的にダウンしている中、日本コンテンツの情報発信強化、販路拡大を通じて日本の存在感を高めることを目指している。

パビリオンには、カードゲーム大手ブシロード(東京都中野区)やパソコン用歌声合成ソフト「初音ミク」のクリプトン・フューチャー・メディア(札幌市中央区)、マンガデザインによる広告制作などを手掛けるマンガデザイナーズラボ(東京都渋谷区)、実写映像作品の企画・制作会社ディーライツ(東京都千代田区)など20社が出展。
参加企業の1つであるEPICレコードジャパン総合企画本部プロデューサーの関根直樹氏は「中国や台湾でのコンサート開催などを通じて海外で所属アーティストの売り込みを図っているが、今回のように日本国外で商談ブースを設けるのは初めて。アイドル系、ビジュアル系、アニメソングの歌手などがそろっており、より多くのアーティストを現地でPRしたい」と話した。


■年内に試験販売

出展企業は、今後シンガポールに設置される「AFAショップ」でコンテンツ関連グッズのテスト販売も行う。「店舗は繁華街オーチャードの若者向け商業施設スケープ『*SCAPE』に設置する。現在交渉中だが年内にも開設したい」(宮野氏)考えだ。
また受託事業では、該当コンテンツの需要度調査を実施し回答をフィードバックし、商品・サービス展開に向けたコンサルティング業務も実施。コンテンツを活用した海外でのキャンペーン展開や商品タイアップを促進し、日本企業が海外で恒常的に収益を確保するのをサポートする。

このほかAFAの展示会場では、玩具大手バンダイ、動画共有サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴ、フィギュア・プラモデルメーカーの壽屋、人気アイドルグループ「AKB48」のグッズ販売ショップなどが出展。域内コスプレ大会やメードカフェ、アニメソングのコンサートにも若者を中心に大勢の客がつめかけた。

イベントの一環で11日に開催された「クール・ジャパン・フォーラム」では、芥川賞作家の平野啓一郎氏やキャラクターデザイナーの美樹本晴彦氏、アニメ脚本家、作家の冲方丁氏らが日本コンテンツの誕生秘話やコンテンツ産業の未来などについて講演した。

AFAは域内での知名度の高まりを受け年々規模が拡大しており、入場者数は08年の2万5,000人から09年は4万6,000人に増加。今年の入場者は前年から約20%増の8万5,000人と見込まれている。電通は今後、シンガポール以外のアジア諸国でもアニメ・フェスティバル開催を計画している。


■アニメリストを発売

ビジネス・コンサルティング業務を手掛けるラ・ディッタ(東京都港区)は、日本のアニメやマンガを幅広く集めた「アニメチェックリスト」をAFAの会場で販売開始した。

同社が販売する旅行者向け手帳・ガイドリスト「Been There Done That(BTDT)」シリーズの一環。紙製折りたたみ式の記入リストで、販売価格は20Sドル(約1230円)。「鉄腕アトム」から「ワンピース」まで、日本が誇るアニメ作品やマンガのタイトル、アニメソング、アニメ関連イベント、アニメ関連用語、キャラクターの誕生日といった項目を網羅している。

アニメを通じて日本のソフトパワーを世界に発信するのが狙い。同社が先月、日本文化の発信拠点としてシンガポールで開設した「フィール・ジャパン・カフェ&ショップ 」などでも販売する予定だ。



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