2011年11月18日金曜日

■20代の窃盗犯が急増、背景に若者の就職難


20代の窃盗犯が急増、背景に若者の就職難
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/16/2011111601241.html
2011/11/16 12:38

 A容疑者(27)は、4カ月で15回にわたり空き家や駐車中の車などから金品を盗むなどの窃盗を繰り返し、今年8月に逮捕された。盗んだ物はノートパソコンやカメラなど、総額1000万ウォン(約70万円)相当に達する。A容疑者は2008年に大学を卒業後、中学校教員の採用試験に向けて勉強していたが、立て続けに失敗。1500万ウォン(約100万円)に上る学費ローンを返済する手立てがなくなったため、犯行に及んだと供述した。盗んだ物はインターネットなどで盗品を取り扱う業者に売り、手にした金で利子を返済し、生活費を賄っていた。

 景気低迷が続く中、A容疑者のような若い窃盗犯が増えている。警察庁によると、全国で検挙された20代の窃盗犯は2007年に1万5752人、08年は1万5790人と1万5000人の水準にとどまっていたが、09年には2万2298人と大幅に増えた。昨年は2万885人となり2万人を超えた。こうしたデータは検挙数を基準としているため、実際には20代による窃盗件数はさらに多いと警察は見込んでいる。

 若者の失業率は依然として深刻な状況だ。今年2月の四年制大学卒業者の就職率は51%だった。大卒者の半数が、定職に就けない状態で社会に足を踏み入れたことになる。専門大学(短大に相当)や技能大学卒業者の就職率は56%とやや高かったが、このうち4人に1人は月給が100万ウォン(約7万円)以下となっている。就職しても給料が低いため、大学時代に借りた学費ローンの利子さえ返済するのが難しい状況にある。こうした長期にわたる若者の失業に景気低迷までも重なり、若者が生計を立てるため窃盗に手を染めているというわけだ。

 東国大学のクァク・テギョン警察行政学科教授は「就職や進学などでソウルに移住する20代が多いため、不況が長引けば20代の窃盗も増え続けるだろう。前科者という烙印が押されれば、事実上就職が不可能となるため、結局は再び犯罪に手を染めるといった悪循環が懸念される」と語った。

クォン・スンジュン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版



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