2011年12月3日土曜日

■東北新幹線:全線開業1年も新青森駅前では開発停滞


東北新幹線:全線開業1年も新青森駅前では開発停滞
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111203k0000m040020000c.html
毎日新聞 2011年12月2日 19時41分(最終更新 12月2日 21時16分)

広大な空き地に「売地」の看板が目立つ新青森駅前。レンタカー1店と2階建てオフィスビル1棟がやっと進出した=青森市の新青森駅前で神崎修一撮影 東北新幹線の全線開業から4日で1年を迎える。しかし、終点の新青森駅前は、青森市が約175億円を投じた区画整理地の大半が売れず、雪をかぶった空き地が広がったまま。環境先進都市を目指す都市計画が足かせとなって大規模店を誘致できないジレンマに「4年後に北海道新幹線ができれば、ただの途中駅になるのでは」と市民の不安が募る中、鹿内博青森市長は「PR方法を工夫したい」と力を込める。

 「昔の新横浜駅みたい。どこに行けばいいか分からない」。観光で千葉県から訪れた60代の主婦は駅を出て、途方に暮れた。「最速のはやぶさが到着しても、客は2~3組」。駅前で客を案内する市タクシー協会の男性職員(54)もこぼす。

 新青森は郊外の田畑に造られた新駅。市は周辺約46ヘクタールを宅地開発し、うち18区画3.9ヘクタールを08年からホテルや飲食店向けに発売したが、売却できたのは2区画0.8ヘクタールのみだ。

 東日本大震災の影響で一時、観光客数が伸び悩んだことに加え、原因は都市計画にある。市は車に頼らず生活できる「コンパクトシティ」を掲げて07年、国の中心市街地活性化基本計画の第1号認定を受けた。郊外の乱開発抑制は「金看板」。新青森駅前も売り場面積3000平方メートル以上超の商業施設や一部を除き高さ20メートル超の建物を拒むなど規制が多い。地元の不動産業者は「その割に価格設定が中心街並みに高く、業者は敬遠している」と話す。

 隣の七戸十和田駅前には今秋、大手スーパー「イオン」が進出。約700台収容の無料公共駐車場で集客に成功している。鹿内博青森市長は「PR方法を工夫して土地を売りたい開業はゴールでなくスタート」と話強調するが、規制見直しや値下げには及び腰慎重だ。



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