2011年12月9日金曜日

■わたらせ渓谷鉄道 観光客、復調の兆し 群馬


わたらせ渓谷鉄道 観光客、復調の兆し 群馬
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111209/gnm11120902100002-n1.htm
2011.12.9 02:09

 わたらせ渓谷鉄道(本社・みどり市)は、東京電力福島第1原発事故による団体予約のキャンセルなどで大損害が出たとして、東京電力に対し今月中にも損害賠償請求を行う。今年度上半期(4~9月)、乗客数(定期以外)と収入が前年同期比で約2割も減少した。ただ、10月は一転して乗客数、収入ともに前年同月比でプラスに転じており、復調の兆しも出ている。

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 同鉄道の樺沢豊社長によると、収入は、観光客が中心の定期外利用者が全体の85%を占める。だが、原発事故後の今年度上半期の定期外利用者は前年同期比23・5%減、10万8401人だった。運輸収入も前年同期比約1546万円減(19・5%減)、6388万円にまで落ち込んだ。

 樺沢社長は「特に関西・中部地方の団体予約のキャンセルが多く、3月は100%解約された。原発事故の風評被害の影響であることは間違いない」と断言している。

 県内では7~9月、大型観光イベント「群馬デスティネーションキャンペーン(DC)」が展開され、県を挙げて誘客が図られた。「群馬DCがなかったら、売り上げはさらに落ち込んだだろう」と樺沢社長は振り返る。

 同社では震災後から8月末までの減収分を東電に請求する方針で、現在、損害賠償額を算出中だ。

 ただ、原発事故の風評被害は半年も過ぎると薄らいできたようで、10月の定期外利用者の収入は前年同月比9・4%増となり、プラスに転じた。観光客の足が戻りつつあるようだ。

 また、列車の車両を改良した神戸駅の「レストラン清流」の収入が最近、増加傾向にある。

 樺沢社長は「関西地方の観光客は減ったが、北関東道の開通を受け、これまであまりなかった『つくば』や『宇都宮』など北関東の車のナンバーを駅前で見かけるようになった」と指摘したうえで、「原発事故の影響で、旅行の形態が日帰りの『安・近・短』に変わってきたのではないか」と分析している。



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