2012年1月13日金曜日
■香港 MICE客横ばいに、ホテル不足がネック[観光]
香港 MICE客横ばいに、ホテル不足がネック[観光]
http://news.nna.jp/free/news/20120113hkd003A.html
2012年1月13日(金曜日)
香港政府観光局(HKTB)は11日、会議や展示会に参加するため香港を訪れるMICE(ミーティング、インセンティブ、コンベンション、エキシビション)客数(延べ人数、以下同じ)が今年は前年比11%増にとどまるとの慎重な見方を示した。ホテル不足とそれに伴う宿泊料金の高騰がMICE客の来港意欲を削ぐと指摘。政府に対し、ホテル建設の加速に向けた施策を急ぐよう強く求めている。
HKTBは昨年のMICE客数を当初12%増と予測していたが、ふたを開けてみると10%増にとどまった。今年も11%増と前年と横ばいで推移するとみる。
12日付香港経済日報、信報によると、劉鎮漢(アンソニー・ラウ)総幹事(事務局長)は、香港政府がMICE客の誘致に力を入れながらも、客数が伸び悩んでいることについて「ホテル不足とそれに伴う宿泊料金の高騰がMICE客の訪港を妨げている」と指摘。
ホテル数は2009年以降、右肩上がりの増加を続けており、今年は219軒(客室数6万7,999室)に増える見通しだが、それでも需要に追いつかない状態。昨年1~11月のホテルの平均宿泊料金は1泊1,339HKドル(約1万3,200円)となり、MICE産業に注力するアジア3カ国・地域ではシンガポールに次ぐ2番目の水準にある。3位のマカオも1,336HKドルと香港に迫る水準だ。
■来港旅客、今年は5.5%増
HKTBは今年の来港旅客数も伸びが大幅に鈍化すると予測する。
昨年通年の来港旅客数(速報値)は前年比16.4%増の4,192万人で過去最高を更新した。しかし田北俊(ジェームズ・ティエン)局長は、今年は世界的な景気後退の影響で、5.5%増の4,423万人にとどまるとみる。
また、来港旅客数をけん引している中国本土からの旅客数も7.6%増の3,022万人と前年の23.9%増から急減速しそうだ。欧米などの長距離市場からの旅客減やホテル不足などで、宿泊客の滞在日数は3.5泊へと短くなる見通し。
■日本人客流出も
JTB香港支店の関係者が12日、NNAの取材に対し明らかにしたところによると、ホテル不足は昨年秋ごろから深刻になっており、宿泊料金は低いランクのホテルで上昇が目立っている。リーガル・カオルーン・ホテルなどスタンダードのホテルでは30~40%値上がりしているという。これに伴いツアー価格も上がっており、同関係者は「日本人旅客が香港から他の海外に流れる可能性もある」と指摘している。
■ホテル建設、喫緊課題
こうした状況を受けてHKTBの田局長は政府に対し、工業ビルの改築やホテル用地の入札を急ぐことなどを提案。識者からも「ホテル不足と宿泊料高騰は観光客の来港意欲を削ぐ。香港経済の柱の一つである観光産業への打撃が大きい」と警鐘を鳴らす声が出ている。ただホテル建設には4~5年がかかることから、当面は現状打破が難しい情勢とみられている。<香港>
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