2012年1月23日月曜日

■中国や台湾の航空会社、四国便拡充の動き 誘致策が奏功


中国や台湾の航空会社、四国便拡充の動き 誘致策が奏功
2012/1/21 3:01 日経Web

 四国4県と中国・台湾間の航空路線に活性化の兆しが出てきた。高松―上海便を運航する春秋航空は20日、現在の週2便を3月から3便に増やすと発表した。中国東方航空の松山―上海便も増便に向けた交渉を開始。日本全体では外国人旅行者数は激減しているが、四国はこれまでの誘致策が功を奏し始めている。

 中四国初の格安航空会社(LCC)として昨年7月15日に定期チャーター便が高松空港に就航した春秋航空は現在の毎週木、日曜日に加えて、3月25日からは火曜日にも運航する。20日に国土交通省に申請した。

 1月19日までの利用者数は合計で1万6403人で利用率は84.4%と高水準。20日に高松市を訪れた同社日本営業所の王●(火へんに韋)副総経理は「香川の魅力が少しずつ中国でも知られてきており、もっと乗ってもらえる」と増便の狙いを説明した。

 松山と上海間に週2便の定期便を運航する中国東方航空も週3便への増便の検討に入った。20日まで訪中していた中村時広知事が16日に上海市の同社を訪れ、増便を要請したところ、「『増便の実現を目指している』との前向きな返事をもらった」という。

 松山―上海間の昨年4~12月の搭乗率は67%とまずまず。利用者のうち中国人が占める割合は2割程度と少なく、震災以降はさらに減ったが、円高を背景に日本人の海外旅行客が増えている。ただ、週2便では使い勝手が悪く、県や観光業界では松山―ソウル便と同じ週3便への増便を望む声が強かった。

 徳島県では、中国・長沙空港(湖南省)と徳島空港・静岡空港を結ぶ国際定期チャーター便の第1便が23日に就航する。長沙から徳島に到着、関西や東京などを観光をした後、静岡から帰るツアーと、静岡に到着し徳島から帰るツアーを交互に繰り返す。ともに10日に1便運航。長沙―徳島・静岡を年間72往復する。

 湖南省の旅行会社がツアーを企画、中国南方航空が運航する。定員は約150人。中国との間の経済・文化交流促進を目指す徳島県の働き掛けで実現した。

 高知空港には昨年11月、高知県が誘致した台湾からのチャーター便3便が就航した。台湾の復興航空と現地の旅行会社がツアー旅行として企画したもので、海外旅行会社によるチャーター便は同空港では初めて。大河ドラマ「龍馬伝」の放送などで高知の知名度が高まっている台湾を中心にアジアからの誘客に力を入れる。県観光振興部では「いずれは定期チャーター便につなげたい」としている。

 日本政府観光局によると、2011年の訪日外国人数は約622万人、前年比で28%減となった。東日本大震災で訪日を控える外国人が増えたためだが、最近では「西日本、北海道を中心に回復傾向にある」(日本政府観光局)という。

 これまで外国人旅行者が少なかった四国が、回復のけん引役の一つになる可能性もある一方、高松や徳島に到着する中国人観光客の多くは、そのまま観光バスで京都や大阪、東京方面に行くツアーが目立つ。地域内への経済効果を高めるためにも、長期の滞在型観光を推し進める必要がある。


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