2012年1月25日水曜日

■日本と海外で異なる3つの資産運用の常識


日本と海外で異なる3つの資産運用の常識
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0125&f=column_0125_012.shtml
【コラム】 2012/01/25(水) 09:38
  
 「海外で資産運用」と聞くと、非常に敷居が高いように思えますが、弊社へお問い合わせ頂く半数以上のお客様は、日本国内でも株式や投資信託の購入経験が全くない投資初心者の方が多いのが実情です。もちろん弊社は投資初心者の方の資産運用サポートも歓迎させて頂いておりますが、日本国内と海外では資産運用に対する考え方が全く異なるということを、まずご理解頂ければ幸いです。


 本日は、日本と海外で異なる資産運用の常識を3つ、お話させて頂きます。

 1番目に日本人が銀行に預金する基準は、元本保証かどうか、簡単に潰れない銀行かどうかという基準で判断される方が多いと思います。その一方、香港人が銀行に預金する基準は、元本保証かどうかはそれほど重要ではなく、むしろ物価上昇率との比較になります。香港ドルの定期預金も世界的な低金利の影響を受けて、1年定期でわずか0.15%の金利しかつきません。

 その一方で、香港の物価は毎年5%前後上昇しています。物価上昇率を加味した香港ドルの実質金利は-4.85%のマイナス金利であり、香港ドルの現金を銀行の定期預金に預けるだけでは、資産価値が毎年減少していくことになってしまいます。そこで、毎月の生活費を除く不要不急の余裕資金については、少なくとも物価上昇率を上回る金利が付く金融商品での運用が求められます。

 2番目に年金と保険に関して、今まで日本国内では終身雇用制度で、一つの会社に長く勤めることで、国もしくは会社が老後の生活を保障してくれるのが常識でした。この常識が、昨今の少子高齢化と日本の財政赤字の悪化によって揺らぎつつあるのが、いまの日本の現状です。

 では、香港ではどうかというと、以前から政府が保障してくれる年金や保険の制度はなく、会社が従業員の年金保険料の一部を負担する確定拠出年金制度(MPF)が2000年から始まりましたが、老後の年金対策として十分な金額とは言えません。従いまして、多くの香港人が民間の保険会社と個人契約で年金・保険プランに加入し、年金プランで運用するファンドを自分自身で選択しています。選択するファンドの運用成績によって、将来の年金受取額に変動が生じることは当然のこととして受け止められています。

 3番目に資産運用という言葉が持つイメージについて、日本人の場合は資産に占める現金保有比率が非常に高いことから、資産運用という言葉を聞いただけでリスクが高いと思ってしまわれる方が多いのが実情です。では、香港人の場合はどうかと言うと、当然どんな資産運用にもリスクがあるということは皆、理解していますが、リスクを怖がっているだけでは決して物価上昇率を上回るリターンを得ることができず、手持ちの現金の資産価値が物価上昇とともに減っていってしまうことを皆、怖れています。

 事実、香港ドルの対人民元レートは、2007年初頭にはほぼ1:1でしたが、2011年末時点では1:1.22となり、香港ドルは人民元に対して過去5年間でも20%以上も下落しています。以前は香港から中国へ旅行すると、あらやるものを安く購入することができましたが、いまでは中国国内の物価高騰の影響もあり、商品によっては香港で購入した方が安いものが増えています。

 週末に香港から中国深センへ行く直通列車に乗ると、多くの中国人が香港で購入した商品を大きなポリ袋やダンボール箱に詰めて運んでいる姿を見ることができます。日本国内ではデフレと物価下落が続いているので、インフレで資産が減ると言われてもピンと来ない人が多いと思いますが、ここ数年の世界情勢は新興国を中心にインフレと物価上昇が続いており、日本だけがインフレにならないという保障はどこにもありません。

 それではどのように将来的なインフレ、物価上昇リスクに対する備えをしていくべきか、次回、お話させて頂きます。



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