2012年4月23日月曜日

■【コラム】韓国のワカメスープは「スープ」なのか?


■【コラム】韓国のワカメスープは「スープ」なのか?
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/22/2012042200100.html
2012/04/22 09:31

 最近、米国ニューヨーク・マンハッタンにあるコリアン・タウンでニューヨークの警察官たちと焼き肉を食べる機会があった。3人の米国人警察官は、韓国式の「バーベキュー」は初めてだと言って喜んだ。網が熱くなるのを待つ間にキムチ、トラジ(キキョウの根)のあえ物、オムク(さつま揚げのような練り物)炒めなどのおかずがテーブルに出てきた。警察官たちは、自分の前に置かれたパジョリム(焼き肉と一緒に食べるネギのあえ物)を見て戸惑い「これは何か」と尋ねた。記者が特に考えることなく「しょうゆであえたネギだ」と答えると、警察官たちは「オーケー」と言って箸を取った。

 記者はすぐに、誠意のない説明だったと後悔した。食前に出される野菜は当然サラダだと考えた米国人は、肉が焼けるよりも前にパジョリムをきれいに食べてしまった。しばらくすると、店員が何の説明もなくパジョリムの「お代わり」を持ってきた。同席していた韓国系の警察官が、薄切り大根を軟らかく漬けたものに焼けた肉を載せ、パジョリムを添えて包んで食べる方法を紹介した。米国の警察官たちは、この方法でパジョリムを食べると「こうやって食べれば本当においしいですね。調和していてバランスが取れた味ですね」と喜んだ。

 ニューヨークで活動するある韓国系デザイナーは、家に米国人を招待し、ワカメスープを出した際に戸惑ったことがあるという。(韓国では汁ものとしてご飯と一緒に食べる)ワカメスープを(コース料理などの)スープと同様に考えた米国人は、他の料理に手をつける前にワカメスープ全て飲み干してしまった。「『韓国のスープ』は、ご飯を一口食べては、スプーンで一さじずつすくって飲むものだ」という説明を後から聞いて、来客たちは「韓国のスープ」を飲む方法を理解したという。

 コリアン・タウンで、ある中国系ニューヨーカーの女性にサムギョプサル(豚の三枚肉)をごちそうした時のことだ。会計が終わったのに、その女性は席を立てずにいたため、慌てて理由を聞いた。女性は、たくさん残っている「サイドディッシュ」を残すのが気になるという。テーブルいっぱいのおかず文化に慣れてないこの女性に「これはパンチャン(おかず)というもので、レストランでは通常、多く出してくれるため、全て食べるのは難しい」と説明した。女性は「家に持ち帰ってもどうやって食べたらいいか分からないが、とにかく残すのは悪い気がする」と言って、残ったおかずを、サンチュ(肉を巻いて食べる葉=カキチシャ)や唐辛子まで含めて全て包んでもらって持ち帰った。

 外国人にとって韓国料理の仕組みを説明するのは容易ではない。われわれが当然のこととして理解しているおかず、汁物、鍋のような要素を、外国人はなじみのないものとして捉える。新しい味を求めるニューヨーカーたちは、韓国料理が体によく、おいしいといわれるが、食べ方が分からないと言う。これは、彼らを韓国料理店に招待する韓国人だけでなく、コリアン・タウンの韓国食堂の店員も、米国人に韓国料理の仕組みや食べ方を親切に説明してあげないためだ。韓国の「パルリパルリ(早く早く)文化」は、ニューヨークのコリアン・タウンでもそのまま適用されていて、大部分の店員はテーブルの上に料理を一瞬で並べ、急いでその場を離れていく。

 フランスの世界的なレストランガイド「ミシュランガイド」で、韓国料理店として初めて一つ星レストランに認定されたニューヨークの韓国料理店「タンジ」のキム・フンイ・シェフは「店員が料理を出す際、材料と食べ方を細かく説明する日本料理店とは異なり、韓国料理店の店員は、勝手に食べてくれと言わんばかりに料理をテーブルに置いていく」と指摘した。異国の料理を楽しむときは皆、文化を共有したいと考えている。韓国料理をグローバル化するためには、「おいしいから召し上がってください」と韓国料理を一方的に出すのではなく、韓国料理のスタイルや仕組みを外国人に分かりやすく説明するための準備を最優先で行うべきだろう。



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